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ラミネートベニアってなに?後悔や失敗しないために、気になる費用と寿命をチェック

ラミネートべニアって聞いたことありますか?歯に似せて作った薄くて白い板(チップ)を、歯に貼りつける審美治療をラミネートべニアといいます。

本記事ではラミネートべニアの特徴や、メリット・デメリットを徹底解説。さらに後悔・失敗例などもブログやネットの情報からまとめてご紹介していきます。

この記事のポイント!

  • ラミネートべニアの費用は、歯1本につき5~15万円
  • ラミネートべニアの寿命は、10~20年
  • ラミネートべニアのデメリットは、「治療費が高い」「破損したり外れたりするリスクがある」「将来的に再治療の可能性がある」など
浅見 拓哉
監修 矯正ドクター
日本矯正歯科学会 認定医/インビザライン認定ドクター
三上 智彦
監修 矯正ドクター
日本矯正歯科学会認定医/インビザライン認定ドクター
名倉 奈津子
監修 矯正ドクター
東京歯科大学卒/医療法人社団佑健会 勤務

ラミネートべニアってなに?

ラミネートべニアとは

ラミネートべニアとは、歯の表面をごく薄く削って、歯の色に似せた薄い板のようなものを張り見た目を改善する歯科治療方法です。例えるなら、歯にネイルチップ(付け爪)のような薄い板をつける感じです。歯科専用の接着剤(接着性レジン)で、取れないようにしっかりと接着させます。

歯の色が気になる方や、歯の形や歯と歯の間の隙間が気になる方が、よく選択される治療方法です。目立ちやすい上の前歯に、ラミネートべニア治療を施すことが多いです。

ラミネートべニアのチップ(シェル)は、ご希望に合わせて色や形を調整できますので、「今の歯の色よりも白くなりたい」といったご希望も叶えられます。また「欠けた歯」「すきっ歯」「少しだけデコボコした歯並び」なども、短期間で改善できる審美歯科治療です。

ラミネートべニア治療の歴史は古く、1920年ごろにはハリウッド映画の出演者の歯の見た目を整えるため、撮影の際にラミネートべニア施術を行っていたそうです。

ラミネートべニアのチップ(シェル)の素材は、「セラミック」「ジルコニア」「レジン」「e-max」などがあり、それぞれ価格・見た目・色の再限度・強度・耐久性などが異なります。

ラミネートべニアの種類

ラミネートべニアは、歯の覆い方や貼りつけ方で分けると3つの種類があります。

フルラミネートべニア

歯の表面を全体的に覆う形のラミネートべニアです。一般的なラミネートべニアは、このタイプであることが多いです。

歯の色や形を、患者様の希望に合わせて整えることができます。「今の歯よりも白い歯になりたい」といった希望も叶えることができるでしょう。

パーシャルラミネートべニア

歯を部分的に覆う形のラミネートべニアです。歯が一部分欠けていたり、すきっ歯(歯間空隙)だったりするケースによく行われる治療方法です。

ご自身の歯(天然歯)の色と、ラミネートべニアのシェル色を同じ色に合わせ、自然な色合いにします。

ノンプレップべニア

ご自身の歯をまったく削らずに、ラミネートべニアを歯の上から貼りつける方法です。歯を削ることに抵抗がある方におすすめの治療方法です。

ただし、ラミネートべニアの厚み分、歯が分厚くなってしまうというデメリットがあります。そのため見た目が不自然になったり、違和感を覚えたりすることがあります。

ラミネートべニアって寿命があるってホント?

ラミネートべニアの平均寿命は?

ラミネートべニアの寿命は、平均で10~20年ほどです。

チップ(シェル)の厚さはとても薄い(0.2~2mmほど)ですが、素材の強度や耐久性には問題がなく、通常は簡単に剥がれることはありません。またセラミック製のラミネートべニアであれば、変色する心配もありません。

ただラミネートべニアと歯をつける接着剤は、治療後4~5年で劣化し粘着力が弱まると言われています。接着剤の寿命がくると、歯から取れてしまいます。ラミネートべニアを接着後、3年以上経過している場合は定期的に歯科医院を受診し、メンテナンスをしてもらうとよいでしょう。

破損しやすいシーン

ラミネートべニアは、以下のようなシーンで破損したり取れたりしやすいです。

  • 前歯で硬いものを噛み切ったり噛みちぎったりする
  • 強く噛みしめる
  • 歯ぎしりや食いしばりをする
  • 嚙み合わせに問題がある

ラミネートべニアは前歯につけることが多いので、前歯で硬いものを噛んだり噛みちぎったりすると、強い負荷がかかり取れたり破折したりしやすいです。

もともと噛み合わせに問題がある場合は、ラミネートべニアをつけた歯に負荷がかかりやすく、取れやすいです。寝るときに歯ぎしりや食いしばりなどの癖がある方も、気づかずに歯に強い負荷がかかっていることがあり、ラミネートべニア施術を行ってもすぐに取れてしまうことがあります。

歯ぎしり・食いしばり・嚙み合わせなどの問題を抱えている方は、そもそもラミネートべニアが向いていないことがあります。施術を始める前に、ラミネートべニア治療をして問題が無い歯並び・噛み合わせなのかどうか、歯科医とよく相談しておきましょう。

ラミネートベニアで注意するべきポイント

ラミネートべニアの寿命を伸ばすために、注意するべきポイントについて解説します。

ラミネートべニアに詳しい歯科医院を選ぶ

長くラミネートべニアを使うためには、まずはラミネートべニア治療に関する知識と経験が豊富な歯科医院を選択することが大切です。

「ラミネートべニアに適した口腔状態か診断できる」「研磨や接着技術がすぐれている」「精度の高いシェルを作成できる歯科技工士がいる」などの条件が整った歯科医院で治療すれば、ラミネートべニアの寿命は長くなると言えます。

ラミネートべニア治療は、自由診療なのですべての歯科医院で行っているわけではありません。歯科医院のホームページなどで、ラミネートべニア施術を積極的に行っているかどうかなどをチェックして歯科医院を選ぶとよいです。

カウンセリング時に、メリットだけでなく他の治療方法と比べたデメリットなどもしっかりと説明してくれる歯科医院を選ぶとよいでしょう。

食事の仕方に気をつける

ラミネートべニアをつけた歯に、大きな負担をかけないようにしましょう。食事の際は、食べ物を小さく切ってから口の中に入れ、なるべく奥歯でゆっくりと噛むようにするとよいです。

フランスパンなどの硬い食べ物を前歯で噛みちぎるように食べると、ラミネートべニアが取れやすいので気をつけましょう。

歯ぎしりや食いしばりなどに気をつける

寝るときに歯ぎしりや食いしばりをしていると、ラミネートべニアに負担がかかり破損しやすくなります。また、舌で前歯を押し出す癖、頬杖、横向きで寝る癖などがあると、ラミネートべニアの強度が落ちてしまうことがあります。

歯並びがどんどん悪くなったり、歯の寿命が短くなる原因にもなりますので、悪い癖は早めに治しましょう。

定期的に歯科医院でチェックしてもらう

ラミネートべニアを歯につけている接着剤は、経年劣化によってだんたんと粘着力が落ちてきます。また、日々の生活によって負担がかかっていると、シェルがひび割れたり欠けたりすることがあります。

普段からひび割れや欠けなどをチェックし、気づいたことがあれば歯科医院で早めに診てもらうことが大切です。特に問題が無くても、歯科医院で定期検診を受けてラミネートべニアのチェックもしてもらいましょう。

ラミネートべニアの気になる費用は?

お金

1本あたりの費用は?

ラミネートべニアの費用は、1本あたり5~15万円です。ラミネートべニア治療は審美目的の治療のため、保険が適用されません。自費診療なので歯科医院によって費用が異なりますが、一般的に高額です。

施術する歯の本数が増えれば、その分費用は高くなります。

【注意】低価格のラミネートベニアは危ない?

ラミネートべニアを安く提供しているクリニックがありますが、低価格のラミネートべニアはあまりおすすめできません。

安いラミネートべニアは、「劣化が早い」「レジン素材(プラスチック)なので、将来的に変色する」「歯とフィットせず取れやすい」など、質が下がることがあります。また安い値段で提供している歯科医院は、歯科医師や歯科技工士の技術が低くなることがあり、結果に満足できないケースも少なくありません。

値段だけにこだわらず、信頼のおける歯科医院で治療をしてもらうことが大切です。

また、歯並びが気になっていてラミネートべニア治療を検討している方には、マウスピース矯正もおすすめです。マウスピース矯正は、透明のマウスピースを装着することによって歯並びをしていく歯科矯正方法です。

マウスピース矯正のエミニナル矯正は13万円からのプランがあるため、ラミネートべニアよりも安くきれいな歯並びになれるかもしれないですね。

ラミネートベニアのメリットを3つ紹介

ラミネートべニアのメリットについて、3つご紹介します。

歯を削る量が少ない

ラミネートべニアは、歯の全周を削る必要がある「セラミッククラウン(セラミック治療)」に比べて、歯を削る量が少なくてすむというメリットがあります。ラミネートべニア施術時に削る量は0.2~0.8mm程度なので、基本的に歯の神経を傷つける心配がありません。

ちなみにマウスピース矯正であれば、基本的には歯を削る必要はありません。歯並びによっては歯と歯の間を削って歯を動かすスペースを作る施術「IPR」を行うことがありますが、削る量は0.2mm程度とごくわずかです。

歯を理想の色に調整できる

希望の歯の色や形を歯科医に伝えると、それに合わせたチップ(シェル)を作ってくれるので、理想の歯の色になれるというメリットもあります。

ちなみにマウスピース矯正の場合、矯正治療中にマウスピースにホワイトニング剤を入れることによって、歯並びを整えながら歯を白くできます。

気になる箇所のみの治療が可能

「前歯の1本だけ変色している」「歯が一部欠けている」「前歯のすきっ歯が気になるけど他の部分の噛み合わせは問題が無い」といった部分的に気になる箇所があるケースでは、そこだけをラミネートべニアでピンポイント治療ができます。

マウスピース矯正の場合、部分矯正も可能ですし、口の中の全体の歯並びを整える全体矯正も可能です。

ラミネートべニアのデメリットを3つ紹介

ラミネートべニアのデメリットについて、3つご紹介します。

加齢によって再治療のリスク

ラミネートべニアは、ご自身の歯に白いシェル(チップ)を貼りつける治療方法ですが、加齢や歯周病などによって歯茎が下がると、歯とシェルの間に隙間があいてしまい見た目が悪くなるリスクがあります。そのため、将来的に再治療が必要になるかもしれません。

また、ラミネートベニアのシェル(セラミック)は基本的に変色はしませんが、ご自身の歯は加齢ともに変色します。その結果、将来的にラミネートベニアと歯の色が違って見えてしまうこともあります。

マウスピース矯正ならば、このような心配がありません。

治療費が高い

自費診療で1本1本オーダーメードで制作しているため、治療費が高くなります。ラミネートべニアの治療費は1本につき5~15万円ほどですが、6~10本ほど治療することも少なくありません。

仮に1本10万円のラミネートべニアを前歯8本につけるとすると、80万円かることになります。結果的に、マウスピース矯正より高くついてしまうかもしれません。

破損する可能性がある

ラミネートべニアに使われることが多い素材「セラミック(陶器)」は、強い衝撃が加わると割れたり欠けたりすることがあります。例えばスポーツ中に人とぶつかったり、交通事故などにあったりすると、破損する危険性が高くなります。


また睡眠時に歯ぎしりをしていたり、硬いものを前歯で食べたりする習慣がある方は、注意が必要です。マウスピース矯正であれば、このような心配はほとんどないでしょう。

まとめ

歯に貼りつけるタイプの審美治療、ラミネートべニアについてご紹介しました。ラミネートべニアのメリットは「セラミック治療に比べると歯を削る量が少ない」「気になる箇所だけ部分的に治療できる」こと、デメリットは「再治療が必要になる可能性がある」「破損・脱離する可能性がある」「費用が高い」ことなどです。

歯の色や歯並びを綺麗にする治療方法はラミネートべニア以外にもありますので、あなたに合った治療方法を選んでくださいね。

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ラミネートべニアに関するQ&A

Q.ラミネートべニアは何日間かかる?

ラミネートべニアの治療期間は、最短で2~3週間程度です。歯科医院によって差がありますが、1ヵ月程度で治療が完了することが多いです。

歯を削って歯型をとり、その歯型を元にしてオーダーメードのシェル(チップ)を制作してもらいます。シェルは歯科技工所で作ることが多く、1~3週間ほどの製作期間がかかります。

Q.ラミネートべニアのできる範囲って?

ラミネートべニアで治療できる範囲は、以下の通りです。

  • 歯の色を白くする
  • 欠けた歯を直す
  • 小さい歯(矮小歯)を大きくする
  • すきっ歯(歯間空隙/正中離開)の歯と歯の間を埋めて綺麗に見せる
  • 軽度の歯並びのガタツキやねじれを綺麗に見せる

ラミネートべニアでは、ある程度の歯並びの不正を綺麗な見た目に整えることはできますが、「出っ歯を治す」「嚙み合わせを治す」などの根本的な歯科矯正はできません。

歯科矯正を希望される方は、「マウスピース矯正」「ワイヤー矯正」を検討しましょう。

Q.ラミネートべニアを綺麗に保つには?

セラミック(陶器)でできているラミネートべニアであれば、吸水性が無いので長く使っていても変色することはありません。

ただし、強い力や衝撃が加わると取れたり破損したりするので気をつけましょう。硬い物を前歯で噛みちぎると取れやすいですので、奥歯でゆっくりと噛んで食べるとよいです。

万が一取れてしまっても割れていなければ再接着が可能です。なくさずに保管し、なるべく早めに歯科医院へ連絡してください。

また歯(シェル)と歯肉の間に汚れが溜まると歯周病の原因になり、将来的に歯肉が退縮して見た目が悪くなってしまいます。歯ブラシを歯と歯肉の間に当てて、やさしい力で丁寧にブラッシングする習慣をつけましょう。歯科医院で定期的にチェックしてもらうことも大切です。


Emi

デパコスからドラコスまで大好きな、根っからの美容好き。最近は美容医療領域の興味関心度が高い。綺麗に年を重ね、素から綺麗を目指したい。