2025年6月6日
2025年6月17日「アデノイド顔貌」という言葉をご存知でしょうか？
本記事はアデノイドが肥大することによって引き起こされてしまう特徴的な顔つきであるアデノイド顔貌の原因やデメリット、治療法について詳しく解説していきます。
アデノイド顔貌について詳しく知りたい方、治療法に関するヒントを得たい方などはぜひ本記事を参考にしてみてください。
この記事のポイント！
- アデノイド顔貌は、アデノイドが肥大することによって起こる特徴的な顔つきのこと
- アデノイド顔貌の特徴は、下の顎が下がり唇は前に出ている顔だち
- 口呼吸が原因でアデノイド顔貌になることも
アデノイド顔貌ってなに？
「アデノイド顔貌（がんぼう）」って聞いたことありますか？一体どんなものなのでしょうか？
アデノイドが肥大して起こる特徴的な顔つきのこと
アデノイド顔貌は、アデノイドが肥大することによって起こる特徴的な顔つきのことです。
アデノイドは「咽頭扁桃（いんとうへんとう）」ともいう、鼻の一番奥の喉につながる部分にあるリンパ組織のかたまりです。扁桃腺（へんとうせん）という、風邪をひいたときに腫れることがある組織の上部にアデノイドがあります。口を開けても直接は見えない位置です。
アデノイドは扁桃腺のように、ウイルスや細菌などが体内に入ることを防ぐ働きがあります。2歳ごろに大きくなり始め、4～6歳ごろに大きさのピークを迎え、やがて縮小していきます。しかし、ウイルスや細菌などによってアデノイドが繰り返し炎症を起こすと病的に肥大してしまうことがあります（アデノイド肥大）（アデノイド増殖症）。
一度病的に肥大してしまうと、アデノイドが自然に小さくなる可能性は少ないです。その結果、顔つきに特徴的な影響を与えるのですが、この顔つきを「アデノイド顔貌」といいます。
アデノイド顔貌に見られる顔の特徴
【いくつ当てはまる？】アデノイド顔貌の特徴
以下の特徴に当てはまる方は、アデノイド顔貌かもしれません。
- 下の顎が引っ込んでいる
- 顎と首の境目がはっきりしない
- 二重あごになっている
- 上の歯が出ている
- 口が開いていて口呼吸になっている
- 顎が小さくて歯並びが悪い
- 鼻が小さくて幅が狭い
- 鼻の穴が小さい
- 鼻の下が長い
- 唇が突き出ている
- 唇が厚ぼったい
- 唇や口の中が乾燥している
- 面長（ロングフェイス）
当てはまる項目が多いほど、アデノイド顔貌の可能性が高くなります。
とはいえ、検査をしてみなければ確定はできません。
気になる方は、矯正歯科や耳鼻咽喉科で診察を受けてみましょう。レントゲン撮影（セファロレントゲン写真）や、内視鏡検査（鼻からファイバースコープを入れて検査）などを行い、アデノイドが肥大しているかどうかを確認できます。
アデノイド顔貌になる原因
アデノイド顔貌の原因は、鼻と喉の奥にあるアデノイドの異常な肥大です。4～6歳ごろのアデノイドが肥大した時期に、ウイルスや細菌で繰り返し炎症を起こすと病的に肥大してしまうことがあります。
またアデノイドが肥大していなくても、口呼吸が原因となって同様の顔つきになることもあります。これらを合わせてアデノイド顔貌と呼んでいます。
原因は口呼吸だった！？
アデノイドが肥大すると、気道が狭くなるので鼻呼吸が難しくなり、口呼吸になります。またアデノイドが肥大していない方でも、口呼吸を続けていると唇を閉じる筋肉が緩み、お口を常に開けている状態（お口ポカン）になります。
そのためお口の悪い癖（舌を前に出す癖や、異常嚥下癖）が引き起こされたり、前歯が徐々に出てきたりし、アデノイド顔貌になります。
またアデノイド顔貌の原因が、鼻炎など鼻づまりの場合もあります。鼻が詰まっていると口呼吸になるため、アデノイド顔貌になるのです。
大人になってからでも口呼吸を続けていると、アデノイド顔貌の症状が悪化しますので、口呼吸を鼻呼吸に変える努力をするようにしましょう。鼻呼吸を促すテープなどが薬局で販売されています。鼻炎や鼻づまりの方は鼻炎治療をすることによって、口呼吸が改善される可能性があります。
アデノイド顔貌を放置するデメリットって？
アデノイド顔貌は単に顔の見た目に影響を与えるだけではなく、健康上の問題がでることもあります。
病気にかかりやすくなる
アデノイド顔貌の方は、病気にかかりやすいです。アデノイドが肥大していると鼻腔内に鼻水がたまりやすく、鼻詰まりや副鼻腔炎の原因となります。
また、鼻呼吸の場合はウイルスや細菌などの侵入をフィルター（鼻毛）で防ぐ機能がありますが、アデノイド顔貌の方は口呼吸になることが多いです。その結果ダイレクトにウイルスや細菌を吸い込むことになり、風邪などさまざまな病気にかかりやすくなるのです。
ウイルスや細菌によってさらにアデノイドが肥大し、口呼吸も悪化するという悪循環に陥ることもあります。さらに口呼吸によって、虫歯・歯周病・口臭のリスクも高まります。
睡眠時無呼吸症候群になりやすい
アデノイドが肥大して鼻孔が狭くなると、「睡眠時無呼吸症候群」が起こりやすいです。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に大きないびきとともに、何度も呼吸が止まる病気です。睡眠不足になり、「日中の強い眠気」「集中力の低下」「倦怠感」「寝ているときの呼吸困難感」などの原因になります。
重篤な睡眠時無呼吸症候群は、命にかかわることもあります。体が低酸素状態になり心臓・血管に大きな負担がかかるので、全身に大きな影響を及ぼすのです。
中耳炎などにかかりやすい
アデノイドが肥大して耳管（耳と鼻をつなぐ管）を圧迫すると、中耳炎になりやすいです。慢性的な耳管狭窄症になると、滲出性中耳炎になりやすく難聴の原因となります。
アデノイド顔貌を治す方法は？
大人でもアデノイド顔貌を治す方法はあるのでしょうか？
歯科矯正(マウスピース矯正)
軽度のアデノイド顔貌は、歯科矯正で改善できることがあります。出っ歯（上顎前突）や開咬（かいこう）などの歯並びの悪さによって、口が閉じにくくなり口呼吸になっているケースです。このような歯並びを歯科矯正で治すと、口呼吸から鼻呼吸に変化します。
アデノイド顔貌の方は歯並びやかみ合わせも悪くなっていることが多いので、歯科矯正は顔の見た目にも歯並びにもアプローチできる一石二鳥の治療方法でしょう。ただし、歯科矯正だけでは治療が不可能なケースもあり、歯科矯正と外科手術の併用が必要になることもあります。
歯科矯正は大きく分けて「ワイヤー矯正（表側矯正・裏側矯正）」と「マウスピース矯正」があります。マウスピース矯正は比較的新しい矯正方法で、「目立ちにくい」「自分で取り外せる」「食事がしやすい」などのメリットがあります。エミニナル矯正では、無料オンライン矯正相談が可能なので気軽にお問い合わせください。
上下顎骨体移動治療（外科手術）
歯科矯正でアデノイド顔貌を治すことが難しい場合は、外科的な手術を受ける方法もあります。上下のあごの骨を切って下げる「上下顎骨体移動術」という外科手術を受けると、突出した口元が整いお顔の印象が大きく変わるでしょう。美容整形外科や、口腔外科などで行う手術で全身麻酔と入院が必要になります。
まとめ
アデノイド顔貌の特徴について解説しました。アデノイドの顔つきは特徴的なので、お顔の印象に大きな影響を与え、コンプレックスを抱えている方は少なくありません。
大人になってからではアデノイド顔貌の治療は難しいと言われていますが、歯科矯正によって歯並びを治すと、お顔の印象が変わる可能性があります。特に前歯のガタツキが大きい方は、歯科矯正で歯並びを整えると口元がきれいになるでしょう。
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アデノイドの顔つき関するQ&A
アデノイド顔の特徴は？
アデノイド顔貌は、下の顎が小さく引っ込んでいて、面長に見えるのが特徴です。他にも、顎と首の境目がわかりにくい、顎が小さい、唇が突き出ている、口がいつも開いている、出っ歯など歯並びが悪いなどの特徴があります。
アデノイド顔の治し方は？
小学生くらいまでの子供なら、口輪筋を鍛える体操や装置などを使って自力で治せる可能性がありますが、中学生以上になると自力で治すことは難しいです。
大人のアデノイド顔貌は、歯科医院での歯科矯正（ワイヤー矯正やマウスピース矯正）や、外科的な手術で治療します。
アデノイド顔貌治すには何科？
アデノイド顔貌になっている原因が鼻の場合は「耳鼻咽喉科」、歯並びやかみ合わせが原因の場合は「歯科・矯正歯科」で治します。
アデノイドの見分け方は？
- 口元が前に出ている
- 下顎が引っ込んでいる
- 太っていなくても二重顎になりやすい
- 輪郭がはっきりしない
などの顔の特徴がある方は、アデノイド顔貌かもしれません。
ちなみに、アデノイド顔貌と似ているお顔の特徴に「口ゴボ」があります。口元が前に出ているのは口ゴボもアデノイド顔貌も同じなのですが、「アデノイド顔貌」は下の顎が後退しているという特徴があります。
