インビザライン矯正を始めたばかりの方や、これから始めようとしている方の中には、「どうやって使うの?」「本当に使う必要があるの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。
チューイーは、インビザラインの効果を高めるために欠かせないアイテムです。正しく使えば、歯が動きやすくなり、治療の精度を高められます。
この記事では、チューイーの役割や効果、正しい使い方について解説します。矯正治療をスムーズに進めるためのポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインで使用するチューイーとは?

チューイーとは、直径1cm程度のチューブの形をしたやわらかいシリコン製の器具です。マウスピースを装着した際に噛んで使用します。
マウスピースの密着性を高める役割があり、矯正治療を効果的にサポートしてくれるアイテムです。
チューイーの効果

チューイーはマウスピースを装着するたびに使用することで、さまざまなメリットが期待できます。期待できる効果は、以下のとおりです。
矯正効果を向上させる
マウスピースは交換するたびに少しずつ形が変化する設計となっています。実際の歯とマウスピースのズレによって歯に圧力がかかり、歯が動いていく仕組みです。
チューイーを噛むと、マウスピースと歯の間にできた小さな隙間がなくなり、装置が歯にしっかりと密着します。その結果、マウスピースが正しくフィットした状態で歯に力が加わり、歯が動きやすくなるのです。
チューイーを使って正しい位置に装着できれば、矯正治療の効果を最大限に引き出せるでしょう。
治療期間を短縮させる
矯正中は1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきますが、前のマウスピースで歯が十分に動いていないと、次のステップに進めません。
マウスピースが歯にきちんとフィットしていない場合、歯が予定通り動かず、治療計画が遅れる場合があります。
しかし、チューイーを使用すると、歯の移動を効率よく進められます。その結果、治療期間の短縮につながるのです。
顎の血行が良くなる
矯正治療は、歯を支える骨が溶けたり新しくなったりする仕組みを利用して、歯を動かす治療です。チューイーを噛むと、顎の筋肉が適度に刺激され、血行が促進される効果が期待できます。
顎周辺の血流が良くなると、新陳代謝が活性化し、歯が動きやすくなります。歯とマウスピースを密着させるだけでなく、身体の内側からも矯正治療をサポートできるのです。
チューイーの正しい使い方

チューイーを正しく使うことで、歯に力がかかりやすくなり、矯正治療をスムーズに進められます。ここでは、チューイーの使い方について解説します。
前歯からしっかりと噛む
まずは、マウスピースを装着します。前歯から奥歯に向かって、指で押し込むようにして密着させていきます。
チューイーを噛むのも前歯から奥歯の順番です。上下の前歯で数秒ずつしっかりと噛みます。
奥歯に向かって移動させる
マウスピースの前歯部分がしっかりと密着したら、左右の奥歯に向かって移動させながら噛んでいきます。左右の歯に均等に圧力がかかるよう、チューイーを2つ使って左右同時に移動させましょう。
装着が不完全なままだと違和感や痛みの原因になることがあるため、しっかりと密着させることが大切です。
奥歯までチューイーを噛み終わったら、鏡を見て、歯とマウスピースが密着できているか確認します。マウスピースが浮いている場合は、隙間がなくなるまでチューイーを噛みましょう。
正しく噛んでもマウスピースが浮いてしまう場合は、マウスピースが合っていない可能性があります。一つ前のマウスピースに戻す、あるいは受診するなどの対応が必要な場合があるため、歯科医師に相談しましょう。
チューイーを使う時の注意点
チューイーの使用は難しくありませんが、使用方法を誤ると適切に効果が得られない場合があります。効果的に活用するために、注意点を押さえておきましょう。
指で持って丁寧に噛む
チューイーは、指で軽く支えながら使用します。勢いよく噛むと口の中で動いてしまい、均等に圧力がかからなくなります。指で位置を固定しながら、ゆっくりと噛むことを意識しましょう。
噛みすぎに気を付ける
チューイーを噛む時間は、1回につき2〜3分程度です。長時間噛み続けると、顎や歯に負担をかける場合があるため、噛みすぎないよう注意しましょう。
新しいマウスピースに交換した直後は浮きやすいため、特に念入りに噛むことをおすすめします。ただし、3〜4日するとマウスピースが歯に馴染んでくるため、そのあとは2〜3分程度で十分です。
痛みや違和感が強い場合は無理に使用せず、歯科医師に相談してください。
チューイーを噛みすぎて歯が痛い時の対処法
チューイーを使いすぎて歯が痛くなるのは、インビザライン矯正中によくある悩みの一つです。ここでは、歯に痛みを感じたときの対処法をご紹介します。
長時間連続の使用をやめる
チューイーは、マウスピースを正しく装着する目的で1回2〜3分程度使用するものです。長時間連続して噛み続けると、歯に大きな負荷がかかり、痛みや違和感の原因になることがあります。
マウスピースの交換直後は浮きやすいため長めに使用しますが、長くても1回あたり20〜30分程度を目安にし、必要以上に使用しないよう注意しましょう。
硬さが柔らかいものを選ぶ
チューイーにはさまざまな硬さがあります。硬すぎるタイプを使っていると、歯に強い圧力がかかり、痛みの原因になることがあります。
痛みが出た場合は、より柔らかい素材のチューイーに変更するのも一つの方法です。歯の状態に合わせて無理のない硬さを選ぶことで、痛みを軽減できます。
歯科医師に相談する
チューイーの使用で強い痛みや違和感がある場合は、自己判断せず、早めに歯科医師に相談しましょう。
装置が正しく装着できていない、歯の動きが予定より過剰になっているなど、思わぬトラブルが生じている場合もあります。痛みの原因を明確にし、適切な対応を受けることが大切です。
チューイーの管理方法

チューイーは口の中に入れるものなので、常に清潔な状態を保つことが重要です。適切に管理することで、衛生面のリスクを減らし、安心して使用を続けられます。
ここでは、チューイーの管理方法について解説します。
チューイーの洗浄方法
使用後のチューイーには、細菌が付着しています。毎回使用後には流水でよく洗いましょう。
1週間に一回程度、マウスピース用の洗浄剤を使用すると、除菌効果が期待できます。しっかり乾燥させてから保管することで、カビや細菌の繁殖を防げます。
チューイーの交換タイミング
チューイーは繰り返し使えるアイテムですが、使い続けるうちに弾力が失われたり、表面が劣化してきたりします。汚れや変形が目立ってきたら、新しいものに交換しましょう。
目安としては、10日〜2週間に1回程度の交換が推奨されます。1〜2週間に1度、マウスピースを交換する際にチューイーも新しくすると、交換のタイミングを逃しにくいでしょう。
チューイーがない時・失くした時の対処法

インビザライン矯正中に欠かせないチューイーですが、うっかり失くしてしまったり、手元にない状態になることもあるかもしれません。
ここでは、チューイーがないときの対処法についてご紹介します。
一時的にチューイーの代替品を使う
チューイーが手元にない場合は、応急処置として代用品を使うのもひとつの方法です。清潔なタオルやガーゼ、ティッシュペーパーなどを折りたたみ、厚みを持たせることで代用品になります。
ただし、いずれも本来のチューイーと同じ効果は得られないため、できるだけ早く正式なチューイーを用意するようにしましょう。
また、代用品を使用する際は衛生面にも注意が必要です。不衛生なものを口に入れると、口腔内のトラブルを引き起こす可能性があります。使用前には必ず手を洗い、清潔な状態で使用しましょう。
歯科医院やECサイトで購入する
チューイーは、通っている歯科医院で購入するのが安心です。定期検診の際に相談すれば、用意してもらえるでしょう。また、歯科医師に相談することで、今の治療状況に合った硬さやサイズのチューイーを提案してもらえるメリットもあります。
すぐに歯科医院に行けない場合は、Amazonや楽天などのECサイトや、ドラックストアでも購入可能です。まとめ買いをしておけば、うっかり失くしたときにも安心でしょう。
チューイーを使い忘れないための注意点

矯正治療の効果をしっかり得るためには、チューイーを毎日忘れずに使い続けることが重要です。しかし、忙しい日常の中では、つい使い忘れてしまうこともあるでしょう。ここでは、チューイーを習慣的に使うための工夫や対策を紹介します。
歯ブラシと一緒に置いておく
歯磨きのタイミングでチューイーを使用する習慣をつけると、使い忘れを防ぎやすくなります。洗面所など、歯ブラシと同じ場所に置いておくのがおすすめです。
目につく場所にあることで、歯磨き後にチューイーを使用してマウスピースを装着する習慣が自然に身につきます。
また、チューイーを収納する専用ケースを用意しておくと、清潔に保てるうえに持ち運びにも便利です。
マウスピースケースに入れておく
外出先でチューイーを使いたい場合、マウスピースケースの中に一緒に入れておくと便利です。
通勤・通学バッグの中に常に入れておけば、外出先でも忘れずに使用できます。
また、予備のチューイーをケースに数本入れておけば、万が一落としたり汚れてしまったときでも安心です。衛生面に配慮しながら、持ち運ぶ習慣をつけましょう。
チューイーの効果を理解する
チューイーの役割や効果をしっかり理解しておくと、面倒に感じたときでも使い続けるモチベーションになります。
チューイーは、マウスピースを歯にフィットさせ、歯をスムーズに動かすための重要なアイテムです。「なぜ使わなければならないのか」を自分の中で明確にしておくことで、習慣化につながります。
フレーバー付きのチューイーで楽しむ
最近では、ミントやストロベリーなどの香りが付いたフレーバータイプのチューイーも販売されています。味や香りを楽しみながら使えるので、モチベーションにつながるでしょう。
お気に入りのフレーバーをいくつか揃えておくと、飽きずに使い続けられます。
歯磨きをする時間帯にリマインドをしておく
日々のルーティンにチューイーを組み込むには、スマートフォンのリマインダー機能を活用するのもおすすめです。LINEのリマインダー機能やアラーム機能を使って、「歯磨き後にチューイーを噛む」といった通知を設定しておきましょう。
朝や夜の歯磨きのタイミングに合わせてリマインダーを鳴らすことで、使い忘れを予防し、習慣化につながります。