インビザラインGoは、透明なマウスピースで歯並びを整える矯正治療の装置です。前歯を中心に20本の歯のみを治療対象とすることで、治療期間や費用を抑えられるメリットがあります。
しかし、検索キーワードに失敗との文字が表示され、「インビザラインGoって失敗することもあるの?」「失敗する原因は何?」などと不安になっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、インビザラインGoで起こりうる失敗例や、後悔しないために知っておきたいポイントについて解説します。インビザラインGoで理想の歯並びを手に入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインGoとは?

インビザラインGoとは、世界的に実績のあるマウスピース矯正システム「インビザライン」の中でも、比較的軽度な歯並びの乱れに特化した部分矯正です。前から5番目までの歯を治療対象としています。
インビザラインGoの特徴は、透明なマウスピースを使用するため、口を開けても目立ちにくい点や、取り外しが可能な点です。食事や歯磨きも普段どおりに行えるため、矯正中のストレスを軽減したい人に選ばれています。
また、歯列全体を治療する全体矯正と比べて治療する範囲が小さいため、治療期間が短期間で済むことが多いのもメリットです。
インビザラインGoの失敗例

インビザラインGoはメリットの多い治療方法ですが、失敗する可能性はゼロではありません。ここでは、インビザラインGoの失敗例について解説します。
噛み合わせが悪くなった
前述したとおり、インビザラインGoは、前から5番目までの歯のみが治療対象とした部分矯正です。基本的に奥歯を含む噛み合わせの改善はできません。
そのため、噛み合わせに問題がある症例でインビザラインGoを選択すると、かえって噛み合わせが悪化する恐れがあります。
上下の歯がうまく噛み合わずに顎関節に負担がかかったり、発音や食事がしにくくなったりする可能性があるのです。
歯茎が下がった
インビザラインGoに限らず、マウスピース矯正では歯茎が下がる歯肉退縮が起こるケースがあります。
矯正治療は、歯に力をかけ、歯の周りの組織がつくり変えられて歯が動いていくしくみです。不適合なマウスピースを装着し、歯に過度な力が加わると、歯の周辺組織の再生が間に合わず、歯茎が下がってしまうのです。
また、歯肉退縮は、マウスピース矯正中に歯周病になったり、過度な力で歯を磨いたりすることでも起こりえます。
歯茎が下がると見た目の問題だけでなく、歯の根元の部分が露出するため、知覚過敏になるリスクがあります。
虫歯や歯周病になった
インビザラインGoは取り外し可能ですが、お手入れを怠ると、虫歯や歯周病になるリスクがあります。
例えば、マウスピースを装着したままジュースを飲んだり、歯磨きが不十分な状態でマウスピースを装着したりすると、マウスピースの内側で虫歯菌が繁殖しやすくなるでしょう。マウスピース自体を洗浄しないのも、虫歯や歯周病のリスクを高める行為です。
矯正中に虫歯や歯周病が進行すると、基本的に矯正治療を中断してそれらの治療を優先しなければなりません。結果として、矯正の治療期間が長引くことにつながります。
変化を感じられなかった
計画通りに歯が動かず、期待したような歯並びの変化が得られないケースもあります。原因は、装着時間の不足や、正しく装着できていないことなどです。
また、そもそもインビザラインGoの適応でなかったにもかかわらず、治療を開始してしまった場合にも起こりえます。
正中がずれてしまった
上下の前歯の中心線(正中)は、顔の中心と一致しているとバランスが良く見えます。しかし、インビザラインGoでは奥歯を動かさないため、前歯の歯並びのみを整えた結果、正中がずれてしまう場合があります。
インビザラインGoでは治療後の歯並びをシミュレーションできるため、正中がずれる仕上がりとならないか十分に確認しましょう。
治療後に後戻りしてしまった
インビザラインGoに限らず、矯正治療で動かした歯は、元の位置に戻ろうとする性質があります。
元の位置に戻ろうとして動く現象を後戻りと呼び、歯並びが安定するまで保定装置(リテーナー)を装着します。歯の土台となる歯槽骨や歯茎が安定するまでには、時間がかかるためです。
リテーナーを適切に装着しなかった場合、後戻りが起こり、せっかく整った歯並びが元に戻ってしまうという失敗につながります。
インビザラインGoで矯正が失敗する要因

インビザラインGoの失敗は、いくつかの共通する要因によって引き起こされます。ここでは、インビザラインGoで矯正が失敗する要因について解説します。
装着時間が短い
インビザラインGoは、1日20時間以上の装着が必要です。食事や歯磨きのとき以外は、基本的に装着していなければなりません。
装着時間が不足すると、歯に継続的に力をかけられず、歯の移動が停滞する場合があります。その結果、治療期間が長引いたり、期待した歯並びが得られなかったりするのです。
歯磨き不足
インビザラインGoの治療中に虫歯や歯周病になる主な原因は、歯磨き不足です。唾液には、歯の表面の細菌や食べかすを洗い流す自浄作用があります。
マウスピースを装着している間は、歯とマウスピースの間に唾液が入りにくくなるため、自浄作用が働きにくい状態です。そのため、歯磨きが十分にできていないままマウスピースを装着すると、歯とマウスピースの間で細菌が繁殖し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
また、マウスピース自体を洗浄せずに装着することも、虫歯や歯周病の原因菌を繁殖させる要因です。口腔内が不衛生になると、治療を中断せざるを得なくなり、治療期間の延長につながります。
リテーナーの装着時間が短かった
前述したとおり、インビザラインGoで歯を動かしたあと、放置すると歯が後戻りします。歯並びを安定させるためには、リテーナーの装着が必要です。
矯正治療が完了した直後は、インビザラインGoの矯正中と同様に1日20時間以上の装着が推奨されています。リテーナーの装着時間が不足すると、後戻りが起こり、再び歯並びが悪化するおそれがあります。
リテーナーを装着する保定期間は、歯を動かした期間と同等、あるいはそれ以上の期間が必要とされることが一般的です。
歯並びが安定してくると1日の装着時間を短縮できますが、自己判断で装着時間を短縮せず、歯科医師の指示にしたがって装着する必要があります。
インビザラインGoで失敗しないためには?

インビザラインGoで失敗して後悔しないために、知っておきたいポイントについてまとめました。これから治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
矯正実績が豊富なクリニックを選ぶ
インビザラインGoで理想の歯並びとなるには、精密な診断と治療計画が不可欠です。そのため、矯正治療の実績が豊富で、インビザラインGoの症例数が多いクリニックを選びましょう。
経験豊富な歯科医師であれば、インビザラインGoが適しているかどうかを判断し、もし適応外であれば他の治療法も提案してくれる可能性が高いです。また、治療中のトラブルにも適切に対応できるでしょう。
歯磨きなどのお手入れを怠らない
インビザラインGoの治療中は、毎日の丁寧な歯磨きとマウスピースのお手入れが不可欠です。
マウスピースを外した後は、歯ブラシでしっかりと歯を磨き、デンタルフロスや歯間ブラシも活用して歯と歯の間など細かい部分の汚れも除去しましょう。マウスピースも、流水と歯ブラシで丁寧に洗浄し、清潔に保つことが重要です。
歯磨きやマウスピースのお手入れが十分にできていれば、虫歯や歯周病のリスクを最小限に抑え、治療をスムーズに進められます。
リテーナーの装着時間を守る
矯正治療が完了したあとは、リテーナーの装着が重要です。歯科医師から指示された装着時間を厳守しましょう。
最初のうちは1日20時間以上装着し、徐々に装着時間を減らしていきます。歯並びが安定してくると、就寝時のみの装着になることが一般的です。
自己判断で装着時間を減らしたり、装着をやめたりすると、歯が後戻りする可能性があります。1日の装着時間や、装着する期間は歯科医師の指示にしたがいましょう。
違和感があったら医師に相談する
以下のような違和感があった場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。
- マウスピースが歯にフィットしない
- 特定の歯に強い痛みがある
- マウスピースが破損・紛失した
- 歯茎が腫れた
トラブルが起こったのにもかかわらず放置した場合、歯並びが乱れたり、治療期間が延びたりしかねません。
早期に問題を発見して対処すると、失敗を防ぐことにつながります。定期的な通院日以外でも、気になることがあれば遠慮なく連絡しましょう。
まとめ
インビザラインGoは、世界中で治療実績の豊富なインビザラインと同じシステムを利用しながら、治療期間や費用を抑えられるマウスピース矯正として多くの方に選ばれています。
見た目が目立ちにくく、取り外しができるなどメリットが多い治療ですが、注意点もあります。
インビザラインGoは奥歯を含む噛み合わせの改善はできません。そのため、矯正実績が豊富なクリニックを選び、ご自身の歯並びが適しているかどうか判断してもらう必要があります。
また、治療をスムーズに進めるには、装着時間を守ること、丁寧に歯磨きをして虫歯や歯周病を予防することが大切です。
マウスピース矯正を考えている方には、エミニナル矯正もおすすめです。エミニナル矯正では、矯正治療の実績が豊富な歯科医師が担当し、全体矯正も含めて患者さんの歯並びに合わせた提案を行っています。
マウスピース矯正が適していない方に無理に勧めることもありません。基本的にオンラインで治療を進めるため、通院負担を抑えられるのもメリットです。初回診断は無料で行っているため、気軽に相談してみてください。