歯科矯正が早く終わる人の特徴とは？大人でも短期間で終わるために必要なことを解説

歯科矯正をする人の中にはどれくらいの期間、矯正していないといけないのだろうか、自分の矯正期間はどれくらいなのだろうかと疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、歯が動きやすい人の特徴から実際にかかる平均的な時間、期間の伸びてしまう原因と対策まで徹底的に解説していきます。

自分の矯正期間がどれくらいか気になる方や矯正期間を伸ばしたくないと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

歯が動きやすい人の特徴とは

成長期の子ども

成長期の子どもはまだまだ顎も歯も成長段階にあります。歯科矯正には小児矯正と成長が落ち着いてからおこなう矯正に分かれます。3歳～12歳くらいで始める矯正を第1期治療と言い、それ以上の年齢で始める歯科矯正を第2期治療と言います。

3〜6歳くらいまでの子どもは、まだまだ永久歯に生え変わるタイミングのため、歯を動かすというよりは、舌の癖を治したり顎の成長を促すような治療がおこなわれます。

永久歯になった6歳以上では、実際に歯を移動させていきます。この時期における治療では歯を移動させるような大人の治療もしますが、まだまだ成長が見込める時期なので顎の成長を促すような治療が優先されます。

新陳代謝が高い人

規則正しい生活を送り、適度に運動している人は基礎代謝も高く、治療効果も出やすいと言われています。血流が良くなるとそのぶん歯茎の活性化にもつながります。血流が良いことで歯科矯正のメカニズムでもある、細胞の破壊と再生が活発におこなわれるため、健康的な生活は歯の矯正にも一役買ってくれると言えます。

歯並びや噛み合わせの状態が軽度

歯科矯正にかかる期間は、患者さんが設定する治療ゴールにもよりますが、何より決め手となるのは「症状の程度」です。前歯のみの人であれば部分矯正で治療が完結し、治療にかかる期間も数ヶ月で済むこともあります。しかし、動きにくい奥歯や噛み合わせの改善のほか、外科的な処置を必要とするケースにおいては、数年単位で治療期間が発生します。

実際に歯科矯正ってどのぐらい歯が動くの？

歯は1ヶ月で約0.3ミリ移動できる

矯正装置をつけると、歯を移動させたい位置へと動かす力が働きます。すると、動かす方向にある歯根膜に力が伝わります。歯根膜は歯を支えるための歯槽骨という部分と歯の間にあり、矯正による力が発生すると歯根膜が収縮します。

収縮した歯根膜には骨を破壊しようとする破骨細胞が発生し、元の位置に戻ろうとする動きが起きます。一方、反対側の歯根膜は伸びるため、こちらも元の位置に戻ろうと骨を作る細胞である骨芽細胞が発生します。

歯科矯正は、この破壊と再生により歯が徐々に理想の位置に移動していくという仕組みです。移動自体は1ヶ月に0.3mm程度ととても小さいですが、小さい口の中での移動は見た目にも変化を生じさせます。

大人の歯科矯正にかかる期間ってどのぐらい？

部分矯正の場合

歯科矯正には、全体矯正と部分矯正があります。部分矯正の場合、全体矯正よりも治療期間は短くて済みますが、適応できる症例に限りがあります。治療にかかる期間は6〜10ヶ月程度ですが、矯正終了後も後戻りを防ぐための保定期間として数ヶ月〜数年矯正装置が必要となります。

部分矯正のメリット・デメリットは？治療ができる範囲やできない例も紹介

マウスピース(全体矯正)の場合

マウスピース矯正は、その目立ちにくさや自由に取り外しができるなどのメリットから、人気を集めている矯正方法です。マウスピースでも部分矯正以外にも全体矯正が可能です。

マウスピースの全体矯正にかかる治療期間は2年〜2年半ほどで、ほかの矯正方法と同じ程度の期間がかかります。歯全体に動きが生じることや、マウスピース矯正は微力を歯にかけ続けることで移動を生じさせることから、全体となるとある程度の期間が必要なためです。

裏側矯正(全体矯正)の場合

歯科矯正というとイメージしやすいワイヤーとブラケットを使った矯正方法には、目立ちにくい歯の裏側に施す裏側（舌側）矯正方法があります。こちらは対話時などには見えない部分に矯正装置をつけるので、目立ちにくいことが最大のメリットとして挙げられます。一方のデメリットとして、表側同様清掃性が困難になることも考えられることや、費用が表側よりも高額になること、適応できる範囲が表側よりは狭まることが挙げられます。

裏側矯正にかかる治療期間は、表側と同様軽度の場合で1年程度、中〜重程度で2〜3年ほどかかります。

歯科矯正が早く終わる人の特徴2選

矯正歯科医の治療精度が高い

歯科矯正をしようとすると、歯科医師免許を持っていればいずれのクリニックでも施術可能です。しかし、歯を移動させる矯正治療は簡単なものではなく、歯科医師を選ぶ際は、一般歯科医ではなく矯正を専門的に学んだ矯正歯科医が望ましいです。なぜならば、治療の精度に違いが出てしまい、治療計画に無理が生じたり、治療期間が想定通りにいかなかったりすることもあるためです。矯正の知識が豊富で症例数も十分な矯正歯科医であれば、治療期間が長引くリスクは下げられます。

医師から言われたことを守って生活する

とくにマウスピース矯正の場合、一日に20時間以上など決められた時間に矯正装置をつける必要があります。食事や歯ブラシのときを除いてほとんど装着している人は、そうでない人よりも効果が出やすいです。また、ワイヤー矯正であっても清掃性の確保は重要です。治療中に虫歯や歯周病などのトラブルが起きると矯正治療が中断してしまい問題がある箇所の治療が優先されます。すると、結果的に治療期間が伸びてしまいますので注意が必要です。

矯正期間が延びてしまう原因と対策って？

矯正装置に違和感があったらすぐに連絡する

歯科矯正はシミュレーションを元に、治療計画を立てておこないますが、万が一治療効果が実感できなかったり、違和感や痛みが強いなど不安なことがあればすぐに矯正歯科医に相談するようにしましょう。選んだクリニックの医師が経験不足であったり、誤った治療計画による無理な治療内容である可能性もあります。かかっている歯科医院に言いづらい場合は、ほかのクリニックなどでセカンドオピニオンを求めるのも有効です。

虫歯、歯肉炎などにならないよう口内環境のケアをする

ワイヤー矯正であってもマウスピース矯正であっても、口の中を清潔に保つことは何よりも大切です。歯科矯正中に虫歯や歯周病などのトラブルが起きると、どのような矯正方法であっても、一旦は治療を中断せざるを得ません。すると、治療期間が長引いてしまいますし、せっかくそれまで動いた歯も後戻りしてしまう可能性があります。

ワイヤー矯正であれば矯正装置の周辺は念入りに磨き、マウスピース矯正であればつけたまま食事をしない、清掃は念入りにおこなうことを心がけましょう。