歯科矯正について調べていると出てくるセラミック矯正とは一体どのようなものなのでしょうか?
本記事ではセラミック矯正の治療方法の流れ、メリット・デメリットを詳しく解説していきます。また、その他の矯正方法も費用や期間などについて詳しく解説しています。
セラミック矯正について詳しく知りたい方、治療方法ごとの比較をしたい方はぜひ本記事を参考にしてください。
セラミック矯正とはどのような治療方法なのか
セラミック矯正は、歯の表面を削ってセラミック製の被せ物をする方法です。実際に歯を移動させて歯並びを改善する歯科矯正とは方法が異なります。歯を動かす矯正方法の場合、軽度の症例でも数ヶ月は治療にかかりますが、セラミック矯正の場合には一日で治療自体は完結しますので、結婚式を控えている人や芸能人など、すぐに見栄えの良い歯並びが必要な人に選ばれています。
治療の流れ
ここからは具体的にセラミック矯正の治療工程を紹介していきます。
ステップ1.カウンセリング・検査
まずはカウンセリングです。セラミック矯正に限らず歯科矯正をする場合には必ずカウンセリングが必要です。カウンセリングでは、どのようなことに悩んでいて、どうなりたいのかといった治療ゴールのすり合わせがおこなわれます。歯科矯正は患者さんごとに理想とする状態が異なりますので、治療前にどのような状態が望ましいかの確認が欠かせません。
そして、検査では現状の口の健康チェックが中心におこなわれます。虫歯や歯周病などのトラブルがある場合、矯正よりも先にこれらの治療が優先されます。また、被せ物をする箇所にトラブルがあれば治療ができないケースもあります。
ステップ2.神経処置
セラミックを被せる場合には、被せられる側の歯に切削などの処置が必要となります。セラミックを被せて安定させるためには、セラミックの厚さを十分に保つ必要があり、そのために歯の神経を抜くというケースまであります。歯のガタつきが少ない場合には神経の処置が必要なく、歯の切削も少ないこともあります。また、神経は一度抜くと二度と元には戻せません。最近では歯の神経を抜かずにおこなえる治療も増えてきていますので、もし抜髄を提案されたら本当に納得がいくかどうかデメリットも検討したうえで決断しましょう。
ステップ3.仮歯の装着
土台となる歯の処置が完了したら、いよいよセラミックを被せる処置に入りますが、すぐにセラミックを被せるわけではありません。セラミックが完成するまでは仮歯を装着します。仮歯は被せるための土台が完成してから、一時的に装着します。この期間に理想の歯並びのイメージと合っているかどうかなども確認します。
ステップ4.最終確認
セミラックが完成したら土台から仮歯を外し、セラミックの被せ物を装着して完成となります。セミラックは、被せる周囲の歯と近い色味を選択できるため、不自然な印象にはなりません。
治療ができないケース
セラミック矯正の治療フローを見てきましたが、なかにはセミラック矯正が適応できない症例もあります。それは、重度の歯周病の人や、まだ乳歯の子どもです。また、セラミック矯正は麻酔を伴う治療がおこなわれるため、疾患があり治療に向かないと判断された方のほか、歯に欠損が見られる人なども対象外となります。
セラミック矯正による5つのメリット
ワイヤー矯正など歴史のある矯正方法と違い、まだあまり知られていないセラミック矯正。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
①短期間で治療が完了する
一般的な歯科矯正の場合、軽度の症例であっても数ヶ月〜1年程度は治療にかかります。しかし、セラミック矯正の場合には早くて当日には仮歯が装着でき、セラミックを装着するまでにも1〜2ヶ月しかかかりません。忙しい人や、すぐに良い歯並びを手に入れたい人にとっては、治療期間の短さはメリットと言えます。
②歯の色や形も整えられる
セラミック矯正以外の矯正の場合、自分の歯を動かして歯並びを改善させるため、色や形に変化は生じません。一方、セミラック矯正の場合、土台となる部分は自分の歯ですが被せるセラミック部分の色や形は選択できます。隣接するほかの歯と同じような色にすることが自然ですが、ホワイトニングなどをおこなう場合には、理想の色にホワイトニング施術なしで選択できます。また、形や大きさも理想に合わせて制作可能です。
③矯正中の痛みや見た目に悩まされない
矯正といえばイメージしやすい、ワイヤーとブラケットを使う矯正方法は歴史も長く適応可能な症例も幅広いです。しかし、治療期間も長く、見た目が気になるという声も多いのが現実です。セラミック矯正であれば、治療期間が少なく装置などを取り付ける期間もないため、見た目では治療中であることや仮歯、被せ物であることがわかりにくいです。
④1本から治療できる
セラミック以外の矯正治療の場合、部分矯正はあるものの数本単位での治療が必要となります。部分矯正は費用や痛みなどは抑えられるものの、全体矯正と同じ流れで治療がおこなわれます。一方で、セラミック矯正の場合、気になる歯が1本であれば該当箇所のみを治療できるため、治療期間も費用も少なくて済みます。
⑤後戻りの心配がない
歯科矯正をすると、どうしても歯は元に戻ろうとする動き=後戻りが生じます。矯正治療によって歯が動くのと同様に、歯は元の場所に戻る力が働くため、矯正治療終了後も保定期間が必要となります。保定期間は、矯正装置のようなリテーナーをつけて生活する必要があり、矯正期間と同程度の保定期間が必要となります。一方、セラミック矯正の場合、自分の歯を動かすわけではありませんので、後戻りする心配はありません。
セラミック矯正で起こりうるデメリット
この記事では、「セラミック矯正」と記載していますが、実際の内容は自分の歯を動かすわけではないため矯正ではありません。セラミック矯正には先ほどの項目で説明したとおりメリットもたくさんあるように感じられますが、知っておくべきデメリットもあります。実際に施術前に必ず知っておきましょう。
①歯の寿命を削るリスクがある
セラミック矯正は自分の歯を削り、土台となる部分を制作します。なかには歯の神経まで失うケースもありますが、歯の神経は抜いてしまえば二度と元には戻りません。また、歯を削ること自体、歯の寿命を短くしてしまうリスクを伴います。セラミック以外のワイヤーやマウスピースを使った矯正治療でも歯を削ったり抜いたりという処置は安易におこなわれるものではなく、それは歯の寿命を考慮してのことです。
②歯周病・虫歯になりやすい
セラミック矯正は歯の土台にセラミックの被せ物を装着して見た目を改善する治療方法です。土台と被せ物の間は接着状態にありますが、どうしても経年劣化も生じるほか、土台と被せ物の間に汚れが溜まりやすくなります。すると、虫歯や歯周病といったトラブルにつながりやすくなります。
③セラミックは一生ものではない
セラミックは強度や耐久性にも優れた素材ではありますが、一生持つものではありません。人生100年時代と言われる昨今、一生自分の歯で食事が取れることは健康を維持するうえでも重要視されています。しかし、セラミックは治療後に年数を追えば追うほど劣化は免れません。治療期間は短期間で済んでも、その後の経過観察や定期的な診察は欠かせません。
④噛み合わせが改善しない
歯科矯正の目的は見た目の改善だけでなく機能面の改善も挙げられます。とくに噛み合わせが十分でないと、食べ物を噛みきれずに胃腸に負担をかけてしまうほか、姿勢の悪化から全身の健康にも悪影響を及ぼしかねません。ワイヤーやマウスピースを使った矯正の場合、噛み合わせの改善もできますが、セラミック矯正では噛み合わせを治すことはできません。
⑤治療した歯だけ浮いて見える
セラミック矯正は理想の色や形が選べるというメリットがある一方で、治療した歯だけが浮いて見えてしまうというデメリットもあります。ホワイトニングをした歯と同じ色で制作し、最初は綺麗だったものの、周囲の歯に色素沈着が見られるようになったころセラミック矯正の部分だけが白いという事態も起こり得ます。とくに前歯だけ、1本だけというようにセラミック矯正をした場合、どうしても自然な歯とは異なって見えてしまうことはあります。
その他矯正治療方法との違いとは?費用・治療期間を比較
歯並びの治療にはセラミック矯正以外にも種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
セラミック矯正
この記事で主に紹介しているセラミック矯正は、短期間で治療が終えられ痛みやその後の保定期間なども必要のない治療方法です。後戻りの心配もなく、理想の色や形が選べるというメリットがある一方で、一生物ではないということと虫歯や歯周病などにかかるリスクが高いことがデメリットです。セラミック矯正にかかる費用は、4〜13万円ほどで、治療期間は1〜2ヶ月程度です。
ワイヤー矯正
矯正というとイメージされやすい、ワイヤーとブラケットと呼ばれる矯正装置を使った矯正方法です。部分的にも歯を動かすのに適しており、直接歯に力をかけることからさまざまな症例に適しています。また、つねに装置をつけたまま生活するので、歯の移動も起こりやすいのが特徴です。
矯正装置をつけるのは、歯の表面・裏面ともに可能で、表面の方が目立ちやすいというデメリットがある一方、費用は安く済みます。状態や治療期間にもよりますが、費用は13〜85万円程度です。
裏側につける場合、表面より目立ちにくいですが、舌に直接当たるため口内炎のリスクや不快感を感じることもあります。また、費用も30〜120万円程度とやや表面よりも高めです。
治療期間は軽度の場合で3ヶ月〜1年、中程度〜重度の場合で2〜3年ほどです。
マウスピース矯正
矯正歯科医の診断のもと、理想の位置に動かすためにプラスチック製のマウスピースを複数個製作し、歯の移動状況に合わせて交換していく方法です。マウスピースは透明なため、目立ちにくいというメリットがあります。また、自分で取り外しができるため、清掃性に優れています。
おおまかな費用と期間は、軽度の症例で30〜80万円程度、中程度の症例で45〜90万円程度、重度の症例で70〜110万円ほどかかります。治療にかかる期間は、軽度の場合に半年〜1年ほど、中程度〜重度の症例では2〜3年ほどかかります。
セラミック矯正後に後悔したケースも…
メリット・デメリットともにあるセラミック矯正ですが、治療した人のなかには後悔しているという人もいます。その理由には主に次のようなことが挙げられます。
- 噛み合わせが悪いまま
- 噛むと痛む、違和感がある
- 色や形が不自然
- 中途半端なまま治療が終えられた
セラミック治療は、歯の切削が必要となるため、後悔しても削ってしまった歯は元に戻りません。後悔しないためにも、納得がいったうえで治療するようにしましょう。
セラミック矯正に向いている人とは?治療法別に紹介
セラミック矯正だけでなく、ほかの矯正方法にもメリット・デメリットは存在します。それぞれの特徴を理解したうえで自分に合う矯正方法を選択しましょう。
セラミック矯正はこんな人におすすめ!
セラミック矯正のメリットはなんといっても、治療期間が短いことです。セラミック矯正は、結婚式などが直前に迫っている人や、どうしても短期間で歯並びを良く見せたいという人には向いています。また、歯の予後は関係なく今すぐの見た目が改善されることを希望されている人にも選ばれています。
また、ホワイトニングをするにも時間がある程度必要ですので、こうした時間的な余裕がなく歯を白くしたい人からも注目を集めています。
ワイヤー矯正はこんな人におすすめ!
ワイヤー矯正は、矯正のなかでも最も歴史が長く症例数も幅広いことが特徴です。しかし従来からのイメージどおり、見た目はどうしても気になってしまう点と、数週間から1ヶ月に1回程度は必要となるワイヤーの調整時に痛みや違和感を感じることはデメリットと言えます。
しかし、一生涯自分の歯で健康に食事がしたいという人や、噛み合わせも含む歯並びを改善したいという人には最適です。
マウスピース矯正はこんな人におすすめ!
近年、目立ちにくさや幅広い価格帯から人気を集めているマウスピース矯正。自分で取り外しができるため、ブラッシング時にも煩わしさがなく、見た目も矯正をしていることがバレにくいという特徴があります。一方で、1日20時間以上という装着時間を守らなければ期待通りの効果が得られないという点もあります。
マウスピース矯正は歯を大きく移動させる治療には不向きのため、軽度〜中程度の症例の人や、矯正により痛みや違和感のほか、目立ちたくない人に最適です。
自分に合った矯正治療を見つけよう!
セラミック矯正は、短期間で治療が終了し、理想の色や形が得られる治療方法です。しかし、自分の歯を削るため歯の寿命を短くしてしまうほか、虫歯や歯周病などのトラブルにもつながりやすいです。
歯科矯正にはさまざまな方法がありますので、将来どのような歯並びになっていたいのかだけでなく、全身の健康面も含めて治療方法を検討してみてください。
マウスピース矯正どれにしようか迷ったら、「エミニナル矯正」を受けてみて!
月々2,750円から始められるエミニナル矯正は、「安心」で選ばれるマウスピース矯正です。
近年、不適切なマウスピース矯正治療により、残念な想いをされている方がいます。
治療期間が短く、極端に安価であることを謳うマウスピース矯正がでてきている中で、「歯並びの仕上がり結果が、理想から程遠い。噛み合わせが逆に悪くなった。」「当初伝えられた治療費より、結果大幅に総額が高くなり、途中で治療を断念した」などのお声を聞きます。
これらの問題を解決すべく、エミニナルでは矯正のプロ”矯正ドクター”が100%担当する仕組みを作りました。在籍ドクターの治療経験は500症例以上なので、安心です。
エミニナル矯正の矯正相談では、あなた1人1人の矯正に対する不安を取り除き、そもそもマウスピース矯正が合っているのか?、金額や支払い方法はどのようなものがあるのかを丁寧にお伝えしています。
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サービス名 | エミニナル矯正(EMININAL) |
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目安総額 (軽度〜中度) |
33万円〜66万円 ※自由診療 |
初回診断 | 無料 |
セラミック矯正に関するよくあるQ&A
Q.セラミック矯正の歯の寿命はどのくらい?
A.セラミックは強度や耐久性に優れた素材ではありますが、一生涯使えるものではありません。セラミックの歯の寿命は10年程度と言われており、この期間が過ぎれば摩耗や破損などのトラブルはどうしても避けられませんので、定期的な通院と診断が必要になります。
Q.セラミック矯正は治療に何日間かかるの?
A.ワイヤーやマウスピースを使った矯正方法では、短くても数ヶ月〜1年、長くて3年程度かかります。セラミック矯正のメリットは治療の短さです。仮歯までの装着期間は短くて治療当日で完了し、セラミックの装着までも1〜2ヶ月しかかかりません。
Q.セラミック矯正が保険適用されないのはなぜ?
A.医療にかかる費用は保険適用となるもの・ならないものがあり、セラミック矯正は適用外です。その理由は、機能面の改善ではないことが挙げられます。歯科矯正はほとんど保険適用外となりますが、それは機能面ではなく見た目の改善=審美的な理由によるものだからです。噛み合わせや、顎骨の変形などによる機能障害があれば保険が適用されるケースもありますが、噛み合わせの改善ができないセラミック矯正は保険がききません。