50代から歯の矯正を検討していて、後悔や失敗をしないように、事前に色々と情報を探しているという方も多いのではないでしょうか?
50代から歯の矯正をはじめることは遅すぎると感じる方もいるかもしれませんが、50代からでも決して遅くはありません。いくつかの注意点に気をつけていれば、問題なく治療をはじめられます。
そこで本記事では、50代の歯科矯正のメリット・デメリットや、50代からはじめる歯科矯正で後悔しないための注意点などについて紹介していきます。
矯正の費用について詳しく知りたい方はこちらに記事も参考にしてみてください。
『歯科矯正の値段の相場は?医療費控除は?矯正費用に関する全情報まとめ』
50代からの歯の治療における2つの後悔
50代からの歯の矯正における後悔には、主に「開始時期」に関するものと、「治療内容」に関するものの2つがあります。
まずは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.開始時期の後悔
50代からの歯の矯正における後悔のひとつに、歯科矯正の開始時期をもっと早くしておけばよかった、といった後悔が挙げられます。
歯科矯正は、成長期の子どもの頃にはじめると、顎の成長を活用でき、非抜歯で歯並びや噛み合わせを改善できる可能性があるのです。このことを大人になってからはじめて知って、後悔したといったパターンです。
さらに、成長途中の子どもの顎骨は、未完成でやわらかいため、大人の矯正と比べると歯がスムーズに動きやすいといったメリットもあるのです。これらのことをもっと早く知り、子どもの頃から矯正治療に取り組むべきだったと後悔するケースがあります。
2.治療に関する後悔
治療をはじめる前に、もっと治療内容や、疑問に思っていることについて、じっくり話をしておくべきだったと、後悔するケースもあります。
これは矯正治療が実際にはじまってから、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうパターンで、歯科矯正におけるリスクを十分に把握できていなかったために起こりうるものです。
たとえば歯科矯正後には、必ず生じるわけではないですが「後戻り」したり、「歯ぐきの退縮」があったり、「むし歯・歯周病」になったりなど、いくつかのリスクが挙げられます。
もちろん、クリニックではこのような起こりうるリスクを治療前に説明してくれるかと思います。しかし、患者さんには理解しにくかったり、淡々と話されて覚えきれていなかったりするケースもあり、「こんなこと聞いていない」と後悔してしまうことがあります。
50代・大人の歯の矯正によくある誤解を解消
50代から大人の歯の矯正をはじめることに関して、じつはさまざまな誤解を持っている方が多いことをご存知でしょうか?
ここでは、そんな50代からはじめる歯の矯正の誤解を、ひとつずつ解消していきましょう。
1.歯の矯正は50代からでもできる
「大人になってからの歯科矯正はもう遅い」と誤解されている方もいらっしゃいますが、歯の矯正は、健康な歯と歯ぐきの状態であれば、50代のみならず、60代、70代からでもはじめることが可能です。
ただし、年齢を重ねると、歯周病の罹患率が上がったり、すでに歯ぐきが痩せていたり、全身疾患で服用している薬によっては抜歯矯正が難しかったりなど、気をつけて矯正治療を進めなければならないこともあります。
しかし、年齢を重ねてからでも、歯並びや噛み合わせを整えておくことで、歯磨きがしやすくなったり、おいしく食事ができたり、よく噛めることで消化を助け胃腸の働きを促す効果も期待できます。
2.虫歯や歯周病でも治療可能
虫歯や歯周病があると、歯科矯正ができないと思われている方も多いかもしれませんが、これらは矯正治療をはじめる前にしっかりと治療をして、状態が安定すれば、治療をはじめることができます。
もし、矯正治療前に放置しているむし歯や歯周病があれば、まずは「むし歯・歯周病治療」からはじめる必要があります。どちらもかなり進行しているようなケースでは、状態が落ち着くまでに時間がかかり、治療が先延ばしになってしまうこともあります。
ただし、初期虫歯であれば治療は行わずに、進行しないように様子を見ながら進めていくこともあります。
3.抜歯をしない治療法もある
大人の歯科矯正といえば、「抜歯」を併用しないといけないと思われている方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
もちろん、症例によっては抜歯が必要となるケースもありますが、非抜歯でも歯並びを整えることができる症例もあります。
必要のない歯は、1本たりともありません。そのため、歯を抜かなくても歯並びや噛み合わせを整えられる場合は、できる限り歯を残した矯正治療を行います。
こちらのYouTube動画では、抜歯の基準や非抜歯での矯正治療の仕方について説明しているので、抜歯が気になる方はぜひみて見てくださいね。
4.老け顔になるリスクは軽減できる
大人の矯正治療では、「老け顔になるリスクがある」といった噂を聞き、心配されている方もいるかもしれません。しかし、事前に医師とゴールの共有をしっかり行ったり、信頼できる矯正歯科医に依頼したりすることで、老け顔になるリスクは軽減できます。
たとえば、老け顔になるリスクの一例として、出っ歯などで突出した前歯を後ろに下げ過ぎたり、必要のない抜歯をしたりすることが挙げられます。これらは、口元が下がってコケて見えたり、ほうれい線ができたりするリスクが生じる可能性があります。
ただし、顎の形や口元のバランス、口唇の厚みなど、顔全体のバランスまでしっかり考慮した矯正医による矯正治療であれば、このようなことはありません。
そのため、信頼できる矯正医に依頼することはもちろん、矯正治療をはじめる前に、希望の口元のイメージなども細かく担当矯正医に伝えておく必要があります。
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50代からでも歯の矯正をおすすめする理由
50代の大人になってからの矯正治療には、じつは多くのメリットがあり、非常におすすめです。
ここでは、そのおすすめする理由について詳しく紹介していきます。
1.健康的な歯を維持できるから
50代からでも歯の矯正をおすすめする理由のひとつに、健康的な歯を維持できるということがあります。
これは、歯科矯正でガタガタだった歯並びがきれいに並ぶと、歯と歯の重なりがなくなるため、歯磨きが圧倒的にしやすくなって、むし歯・歯周病リスクを軽減できるからです。
さらに、バランス良くしっかり噛めるようになることで、唾液分泌が促進されて、歯の表面の汚れを洗い流す「自浄作用」や「殺菌作用」などの唾液の作用が活発になり、むし歯・歯周病リスクを軽減することも期待できます。
また、歯並びがきれいになると、歯やお口への関心が高まります。そうすると、自然と歯磨きなどのセルフケアにも意識が高まるため、そういった意味でも健康な歯を維持しやすくなります。
2.正しい噛み合わせで食事できるから
歯科矯正で歯並びや噛み合わせが良くなって、正しい噛み合わせで食事できることも、50代からでも歯の矯正をおすすめする理由のひとつです。
正しい噛み合わせで食事ができれば、食べ物を前歯でしっかり噛み切り、奥歯でもしっかり食べ物をすり潰せます。そして、自然と噛む回数も増やすことができるので、胃腸への負担を軽減できるのです。
また、食事中に偏った噛み方をしていると、顎まわりの筋肉が緊張状態となり、肩こりや頭痛などを引き起こすこともあります。歯科矯正でバランス良く噛めるようになれば、噛み合わせの悪さが原因のこれらの症状が改善できることもあります。
3.長年のコンプレックスが解消するから
長年のコンプレックスが解消することも、50代からでも歯の矯正をおすすめする理由のひとつです。
これは、歯並びが改善することで、今まで人と話すときに気にしていた口元を気にしなくても良くなるためです。長年の口元のコンプレックスを解消することで、自信溢れる自然な笑顔を手に入れられます。
4.治療しやすい時期だから
50代の歯の矯正は、治療しやすい時期だということも、おすすめする理由のひとつです。
なぜなら、年齢を重ねている分、学生や社会人になりたての方などと比べると、金銭的な余裕があることも多かったり、部活動や受験勉強などで忙しいお子さんに比べると、自分の時間を確保しやすかったりすることもあるからです。
さらに、大人の歯科矯正の場合は、親に勧められるまま歯科矯正をはじめるお子さんとは異なり、「歯科矯正をやりたい!」といった強い意思があるため、やる気に満ち溢れていて、治療にも取り組みやすいといったメリットもあるのです。
歯並びは見た目はもちろんですが、健康にも大きく影響を与えるものですので、そういった意味でも50代から矯正を始められる方も多くいらっしゃいます。
マウスピース矯正であれば、透明でほとんどバレずに矯正治療を始めることもできますので、お勧めしています。
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治療前に知りたい!50代からの歯の矯正における注意点
50代からの歯の矯正でも、歯や歯のまわりの骨に問題がなければ、何歳からでも歯科矯正をはじめられます。ただし、いくつか気をつけなければならないこともありますので、治療をはじめる前に、以下の注意点を確認しておきましょう。
1.歯ぐきが下がる可能性がある
50代からの歯の矯正では、歯ぐきが下がる可能性があるため注意が必要です。
というのも、加齢によって誰でも歯茎は少しずつ下がってきますが、歯科矯正によって以下4つが原因で歯茎が下がる可能性があります。
- 強すぎるブラッシング圧
- 不衛生なお口の状態
- 進行した歯周病
- 歯ぐきを傷つける不適合な矯正器具
とくに、50代からの歯の矯正であれば、歯周病の罹患率も上がってくるため、進行しないようにセルフケアも丁寧にしておく必要があります。
そして、口内の状態も定期的に矯正歯科医にチェックしてもらい、矯正器具が合わないと感じれば、早めに相談しておくことが大切です。
2.すぐに矯正を開始できない場合がある
50代からの歯の矯正では、年齢を重ねてきた分、すでに口内にトラブルを抱えている方もいらっしゃるため、すぐに矯正を開始できない場合があります。
なぜなら、「イベントに合わせて、なるべく早く歯並びをきれいにしたい」と思っていても、むし歯や歯周病があれば、先に治療をして状態が落ち着いてから、矯正治療を開始する必要があるからです。
初期むし歯であれば経過観察をしながら、矯正治療を進めるケースもありますが、大きなむし歯や、歯周病があると、矯正治療に悪影響を及ぼす可能性があるため、しっかり治してから治療をはじめなければなりません。そのため、状態によっては、治療開始まで長い期間がかかってしまうこともあるのです。
3.矯正期間が長くなりやすい
矯正期間が長くなりやすいことも、50代からの歯の矯正における注意点のひとつです。
これは、歯科矯正が歯のまわりの組織による「新陳代謝」に関わっているためです。歯は、歯のまわりの骨を「溶かす」、「新しく作る」という一連の新陳代謝により構成され、これを繰り返すことで歯を動かすことができます。
個人差がありますが、新陳代謝は、一般的に年齢を重ねるほど落ちる傾向にあるため、歯を動かすスピードが遅くなる可能性があります。
後悔・失敗させない!50代の歯科矯正を成功するためのポイント
50代からの歯科矯正が失敗して、後悔しないためには、事前にやっておくべきことがあります。
ここでは、50代の歯科矯正を成功するための、以下の5つのポイントについて紹介します。
1.不安・疑問点は事前相談で解消する
50代からの歯科矯正を成功させるためには、不安・疑問点は事前相談で解消しておくことが大切です。
というのも、不安や疑問点があるまま歯科矯正をはじめてしまうと、治療中に不信感や不安が募り、治療に対するモチベーションが下がったり、「歯科矯正をして後悔した」「失敗した」などと感じてしまったりするリスクがあるからです。
歯科矯正では多くのメリットが得られる反面、リスクもあります。そのことをちゃんと理解できておらず、不安や疑問をそのまま放置したりすれば、徐々にモチベーションが下がって治療がスムーズに進まなくなることもあります。
このようなことにならないためには、治療前に気になるところがあれば納得するまで矯正歯科医と話し合い、歯科矯正によるリスクもご自身でもしっかりと把握しておきましょう。
こちらのYouTube動画では、矯正の治療計画で矯正医が話す内容と注目すべきポイントを紹介しています。
矯正クリニックに相談に行く際、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2.治療完了までやめない
治療完了までやめないことも、50代の歯科矯正を成功するための重要なポイントです。
もし、歯科矯正を途中でやめてしまうと、せっかく整ってきた歯並びが「後戻り」したり、むし歯・歯周病が進行してしまったりすることがあります。
とくに、ワイヤー矯正では長期間、装置をつけたまま定期的なチェックも受けていなけば、自分では気づかないうちに、むし歯ができていたり、歯磨きでの磨き残しが積み重なって歯周病が進行したりなど、お口のトラブルが生じやすくなってしまいます。
また、マウスピース矯正では装置を外したままにしておくことで、せっかくきれいになってきた歯並びが元に戻ってしまうリスクもあります。そのため、歯科矯正は必ず途中でやめず、最後まで継続して続ける必要があります。
3.矯正のルール・装着時間を守る
50代の歯科矯正を成功するためには、矯正のルールや、装着時間を守ることもとても大切です。
たとえば、マウスピース矯正であれば「装着時間の厳守」、ワイヤー矯正ではワイヤーの調整を行う「およそ月1回通院」などの、守らなくてはならないルールがあります。ルールを守ることで、正しく矯正治療を行うことができます。
ただし、これらのルールは歯の動き方や、歯科医院のルールによって多少異なるケースもあるため、必ず担当の矯正歯科医にいわれたルールを守るようにしておきましょう。
4.安心できるクリニックを選ぶ
安心できるクリニックを選ぶことも、50代の歯科矯正を成功するために大切なことです。
たとえば、トラブルにすぐに対応してくれたり、コミュニケーションがスムーズに取りやすかったりするクリニックだと、急なトラブル時にも安心して任せられるでしょう。
また、歯科矯正をはじめるうえで、治療法のメリットだけではなく、デメリットもちゃんと教えてくれて、料金についても細かく明示してくれるような、患者さんを第一に考えてくれるクリニックだと、なお良いでしょう。
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5.自分に適した治療方法を見つける
50代の歯科矯正を成功するためには、自分に適した治療方法を見つけることも重要です。
歯科矯正は、長ければ数年単位と長期間の治療となります。そのため、単に「見た目」や「費用」だけに注目して選ばず、ご自身のライフスタイルや、性格にも合った方法を選ぶ必要があります。
たとえば、毎日忙しく頻繁にクリニックに通院するのが難しい方は、オンライン診断ができる「マウスピース矯正ブランド」を選んだり、自己管理が苦手な方は、装置の取り外しが必要ない「ワイヤー矯正」を選んだりなど、歯科矯正をスムーズに進めるためには、自分の性格や、ライフスタイルまでしっかり考慮したうえで、選ぶことをおすすめします。
50代の歯科矯正に用いられる治療方法
50代の歯科矯正に用いられる治療方法としては、主に「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」のふたつの治療方法にわけられます。
ここでは、それぞれの治療内容や費用相場などについて見ていきましょう。
1.ワイヤー矯正|治療内容・費用
ワイヤー矯正とは、歯の表面に四角い形をした「ブラケット」という矯正器具を取りつけ、そこに「ワイヤー」を通すことで、歯を理想の位置に動かしていく矯正治療法です。
ワイヤー矯正といえば、金属製の矯正器具を使用しているイメージがありますが、目立ちにくい「プラスチック製」のものや、「セラミック製」のものもあります。
また、ワイヤー矯正は装置を取りつける位置で、「表側矯正(装置を唇側に装着)」と「裏側矯正(装置を舌側に装着)」とふたつの種類にわけられます。
費用相場は、表側矯正が60~100万円、裏側矯正が100~160万円程度です。
2.マウスピース矯正|治療内容・費用
マウスピース矯正は、自分専用の透明なマウスピース型の矯正装置を製作し、一定期間ごとに新しいマウスピースに交換していくことで、歯並びを整えられる矯正治療法です。
近年、非常に人気の高い矯正治療法で、使用するマウスピースは透明で目立ちにくく、痛みを抑えられることも大きな特徴です。また、マウスピースは取り外しも自由にできるため、食事や歯磨きもいつも通りにできるメリットもあります。
マウスピース矯正はメリットの多い治療法ですが、ブランドによっては、症例の適用範囲が限られているケースもあるため、まずはご自身の歯並びに対応しているかしっかり確認しておく必要があります。
費用相場は、部分矯正であれば30~60万円、全顎矯正であれば60~120万円程度です。
こちらのYouTube動画では、矯正治療の費用を抑えるためのポイントを紹介しています。「矯正費用を抑えたい!」と思う方はぜひ参考にしてくださいね。
歯の矯正は50代からでも遅くない!
歯の矯正は、50代からでも遅くありません。50代の歯の矯正で後悔しないための対策を徹底し、信頼できるクリニックで治療を受けるようにしましょう。
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歯科矯正に関するよくあるQ&A
ここでは、歯科矯正に関するよくあるQ&Aについてお答えします。
Q1.50歳の歯は平均どれくらい残っている?
歯は、親知らずを含めてすべて揃っていると32本で、親知らずを抜いて数えると28本です。
およそ45歳までは、平均すると27.5本ほど歯が残っているといわれていますが、55歳のときに残る歯の平均は23.6本です。
つまり、多くの方が、45~55歳までの間に約4本の歯を失っているというわけです。さらにその後は、年齢を重ねるごとに、歯を失う平均本数も多くなる傾向にあります。
Q2.歯の矯正は何歳までできる?
歯の矯正といえば、お子さんがするものというイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、歯や歯のまわりの骨に問題さえなければ、歯科矯正は何歳からでもはじめられます。
歯科矯正で、歯並びや噛み合わせを整えば、口元の印象が良くなることはもちろん、歯の寿命を保つことにもつながります。
また、もし歯のまわりの骨が少ない状態であっても、骨を再生する手術などを併用することで、歯科矯正をはじめられるケースもあり、対象年齢も幅広くなっています。
Q3.50代からの歯の矯正の痛みは?
歯科矯正の痛みの感じ方は、個人差があったり、選択する矯正治療法によっても痛みの感じ方が異なったりするケースもあります。
もし、痛みを抑えたい矯正治療法を選びたいという方は、歯にかかる圧力を予め細かくコントロールし、マウスピース1枚ごとに少しずつ歯を動かしていく「マウスピース矯正」がおすすめです。