歯科矯正器具には、さまざまな種類があります。矯正治療を行う際には、実際にどんな矯正装置が使われているのか、気になっているという方も多いのではないでしょうか?
実際に、矯正治療に使用する歯科矯正の器具は、非常にたくさんの種類があります。
そこで本記事では、矯正器具の種類をはじめ、それぞれの矯正器具の特徴、そして自分に合った矯正器具の選び方について紹介していきます。これから矯正治療をはじめようと検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
矯正の費用について詳しく知りたい方はこちらに記事も参考にしてみてください。
『歯科矯正の値段の相場は?医療費控除は?矯正費用に関する全情報まとめ』
【一覧】歯科矯正器具の名称と特徴を紹介
以下の図を見ていただくとわかるように、歯科矯正器具にはさまざまな種類があります。
ここでは、「治療に使用する矯正器具」「口の外に装着する矯正器具」「床矯正装置」「後戻りを防ぐ矯正器具」の4つのカテゴリーにわけて、それぞれの歯科矯正器具の名称と特徴について紹介していきます。
治療に使用する矯正器具 | 口の外に装着する矯正器具 | 床矯正装置 | 後戻りを防ぐ矯正器具 |
・マウスピース型矯正装置 ・メタル(金属)ブラケット ・プラスチックブラケット ・セラミックブラケット ・ホワイトワイヤー ・カラーエラスティック ・パラタルアーチ ・リンガルアーチ | ・ヘッドギア(ホリゾンタルプル) ・ハイプルヘッドギア・ネックバンド ・ヘッドギア(ホリゾンタルプル) ・ハイプルヘッドギア ・ネックバンド | ・バイトプレート ・アクティブプレート ・拡大プレート | ・ホーレータイプリテーナー ・ベッグタイプリテーナー ・クリアーリテーナー ・フィックスタイプ |
治療に使用する矯正器具
まずは、矯正治療に使用する歯科矯正器具の中でも、主に口腔内で使用する矯正器具を紹介します。
マウスピース型矯正装置
マウスピース型矯正装置は、透明なマウスピース型の装置を治療段階に沿って製作し、歯を少しずつ動かしていく歯科矯正器具です。薄くて透明な装置なので目立ちにくく、患者さま自身で自由に取り外しができるというメリットがあります。
メタル(金属)ブラケット
メタル(金属)ブラケットは、一般的によく知られている従来からある歯科矯正器具で、金属でできた「ブラケット」と呼ばれる四角い形をした歯科矯正器具です。「ブラケット」単体では歯を動かすことはできませんが、「ブラケット」にワイヤーを通し、ワイヤーの弾性を用いることで、圧力を加えて歯を動かしていくことが可能です。
プラスチックブラケット
プラスチックブラケットは、プラスチックでできた「ブラケット」で、歯に近い色や、透明のものなどがあり、メタルブラケットに比べると目立ちにくいといった特徴があります。ただし、プラスチックでできているため、耐久性が低くなったり、着色しやすかったりといった特徴も持ち合わせています。
セラミックブラケット
セラミックブラケットは、セラミック製のブラケットを使用しており、白くて目立ちにくく、着色しにくいといった特徴がある歯科矯正器具です。
また、耐久性もプラスチックブラケットよりも高いというメリットもあります。ただし、メタルブラケットに比べると強度は劣り、費用も高額になることが多いです。
ホワイトワイヤー
ホワイトワイヤーは、白色のワイヤーのことで、メタルワイヤーと比べると、目立ちにくい特徴があります。このホワイトワイヤーには、銀色のワイヤーを「白色にコーティング」したものと、「ロジウムという白い金属でコーティング」したものがあります。
カラーエラスティック
カラーエラスティックは、歯の表側についた「ブラケット」に、ワイヤーを固定するためのカラーゴムです。目立ちやすいブラケット矯正を、あえてカラフルなカラーエラスティックを使用することで目立たせ、歯科矯正治療をオシャレを楽しみながら進められます。
パラタルアーチ
パラタルアーチは、左右の歯に巻き付けたリング状の金属板バンドと、口内の天井部分(口蓋)に沿ったアーチ状のワイヤーで構成されている歯科矯正器具です。奥歯が手前に倒れこんでくることを防ぎます。
リンガルアーチ
リンガルアーチは、奥歯に巻き付けたリング状の金属板バンドと、歯の裏側に沿わせたアーチ状のワイヤーで構成されている歯科矯正の器具です。ブラケット矯正時の固定源として使用したり、前歯の数本の傾斜を改善したり、次に生えてくる歯のスペースを保ったりするためなどに使用されます。
口の外に装着する矯正器具
次に、口の外に装着する歯科矯正器具について紹介します。
ヘッドギヤ(ホリゾンタルプル)
ヘッドギヤは、上顎の奥歯に固定した金属板バンドの外側のブラケットに、「フェイスボウ」と呼ばれる装置を差し込み、フェイスキャップとゴムでつないで使用する歯科矯正器具です。
主に、子どもの顎の成長をコントロールしたい場合や、歯を指定の位置で固定させたい場合に使用され、「水平方向」に力をかけます。
ハイプルヘッドギヤ
ハイプルヘッドギヤは、上顎の奥歯に固定した金属板バンドの外側のブラケットに、「フェイスボウ」と呼ばれる装置を差し込み、フェイスキャップとゴムでつないで使用する歯科矯正器具です。
主に、子どもの顎の成長をコントロールしたい場合や、歯を指定の位置で固定させたい場合に使用され、「上向き」に力をかけます。
ネックバンド
ネックバンドは、上顎の奥歯に固定した金属板バンドの外側のブラケットに、「フェイスボウ」と呼ばれる装置を差し込み、ネックバンドとゴムでつないで使用する歯科矯正器具です。
主に、子どもの顎の成長のコントロールや、歯を指定の位置で固定させたい場合に使用され、「下向き」に力をかけます。
床矯正装置
床矯正装置は、歯科用レジンで製作されたプレートを用いた歯科矯正器具のことです。
床矯正装置によっては、プレートの中にネジを埋め込んで、ネジを回すことで力をかけていく装置もあります。ここでは、以下の3つの床矯正装置について見ていきましょう。
バイトプレート
バイトプレートは、深い噛み合わせを改善するための歯科矯正器具です。噛む力を活用する歯科矯正器具で、プレート部分と噛み合う歯を、歯ぐき方向へ圧下させることが可能です。
アクティブプレート
アクティブプレートは、プラスチックのプレートの中に、動かしたい歯に部分的に圧力をかけるための「ワイヤー」が埋め込まれた歯科矯正器具です。自分でも取り外しが可能な装置です。
拡大プレート
拡大プレートは、歯列全体を横に拡大するための歯科矯正器具です。アクティブプレートと同様に、プレートにネジが埋め込まれています。ネジを回すことで、少しずつ歯列を広げていくことが可能です。
後戻りを防ぐ矯正器具
歯科矯正後には、きれいになった歯並びや噛み合わせを保つために、後戻りを防ぐ「リテーナー(保定装置)」の装着をする必要があります。
後戻りを防ぐ、以下の4つの矯正器具を見ていきましょう。
ホーレータイプリテーナー
ホーレータイプリテーナーは、取り外し式で、主に前歯をワイヤーで取り囲むような形をしたリテーナーです。
ベッグタイプリテーナー
ベッグタイプリテーナーは、取り外し式で、歯のまわりをワイヤーでしっかり取り囲んだ形のリテーナーです。
クリアーリテーナー
クリアーリテーナーは、取り外し式のリテーナーで、透明で目立ちにくいマウスピース型の装置で歯全体を覆うリテーナーです。歯列全体を覆うため歯の固定がしやすい特徴があります。
フィックスタイプ
フィックスタイプは、自分では取り外しができない固定式で、前歯の裏側の形に合わせたワイヤーを、直接歯に接着させるタイプのリテーナーです。
矯正器具を使用した代表的な治療方法
矯正器具を使用した代表的な治療方法は、「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」の主に2つの種類があります。
ここではそれぞれの治療方法や、特徴について確認していきましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯の表面に「ブラケット」を取り付けて、そこにワイヤーを通すことで矯正力をかけて、歯を動かしていく矯正治療法です。
ワイヤー矯正は、「ブラケット」や「ワイヤー」などの歯科矯正器具を取り付ける位置によって、以下の種類にわかれます。
- 表側矯正…歯の表側に装置を付ける
- 裏側(舌側)矯正…歯の裏側に装置を付ける
表側矯正は、従来からある矯正治療法で、幅広い症例に対応できるメリットがあります。ただし、歯の表面に「ブラケット」などの装置を取り付けるため、目立ちやすいといったデメリットもあります。
一方、裏側矯正は、歯の裏側に装置を取り付けるため目立ちにくいといったメリットがありますが、費用が高額になりやすいです。さらに、舌に装置があたりやすくなることで、慣れるまでは、違和感や滑舌などに影響が出やすくなるといったデメリットもあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の歯科矯正器具を使用した矯正治療法です。装置が透明なので非常に目立ちにくく、矯正治療中でもまわりの人に気づかれにくいメリットがあります。
また、マウスピース矯正は、自分で装置を自由に取り外しができるため、食事や歯磨きなど、ほぼいつも通り行えます。
装置を20時間以上しっかり装着する必要はありますが、自己管理を徹底さえしていれば、ほぼいつも通りの生活が送れて、快適に治療を進められるメリットがあります。
費用や治療範囲など、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
矯正器具の選び方は?ポイントを押さえよう
では実際に、自分に合った歯科矯正器具は、どのように選べば良いのでしょうか?最適な歯科矯正器具を選ぶためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
Point1.矯正中の見た目
歯科矯正中の見た目を重視する選び方です。歯科矯正器具には、「目立つ矯正装置」と「目立ちにくい矯正装置」があります。
もし、歯科矯正中の見た目が気になるようであれば、「マウスピース矯正」や「裏側矯正」などの目立ちにくい矯正装置を選ぶのがおすすめです。
ただし、「マウスピース矯正」や「裏側矯正」には劣りますが、表側矯正でも「セラミックブラケット」や「ホワイトワイヤー」など、目立ちにくい矯正器具を選択することで、表側矯正でもできる限り目立ちにくくすることも可能です。
Point2.歯科矯正期間
歯科矯正期間を重視して選ぶのも、自分に合った歯科矯正器具を選ぶためのポイントのひとつです。とくに、「結婚式やイベントなどに合わせて歯並びを治したい!」といった方は、歯科矯正の期間は非常に重要になってくるかと思います。
もし、予めこの日までに治療を完了させたいなどの希望がある場合は、矯正装置の選び方が変わったり、目立ちやすい「前歯」から先に整えていくなど、矯正治療の治療計画も変わってきたりすることもあります。
そのため、希望の治療完了日がある場合は、予め治療期間をしっかり担当の矯正歯科医に伝えたうえで、最適な歯科矯正器具を選ぶ必要があります。
Point3.アレルギー
歯科矯正器具の中には、金属を使用したものもあるため、金属アレルギーを重視した選び方をすることもひとつのポイントです。
金属アレルギーをもつ方は、金属を使用した歯科矯正器具を使用できません。たとえば、主にニッケルのブラケット・ワイヤーを用いた「ワイヤー矯正」は、金属アレルギーのリスクがあります。
ただし、ワイヤー矯正でも、金属を使用しない「セラミックブラケット」や「プラスチックブラケット」、インプラントなどにも使用され金属アレルギーになりにくいとされる金属「チタン」を使用した「ブラケット」や「ワイヤー」などを使用すれば、金属アレルギーのリスクを軽減できます。
また、「マウスピース矯正」であれば、金属アレルギーの心配はないため、金属アレルギーが不安な方には非常におすすめです。
自分に合った矯正器具を選択して治療を成功させよう!
歯科矯正器具には、さまざまな種類があります。まずはどんな矯正器具があるのかを知り、自分に合った矯正装置を見付けましょう。
エミニナル矯正は、マウスピース矯正による矯正治療を受けることができ、豊富な500症例以上の実績をもつ矯正歯科医が、一人ひとりに合った最適な矯正治療法を提案してくれます。
もし、矯正治療に関する不安や疑問点があれば、エミニナル矯正公式LINE「相談室」から、いつでも気軽に相談もできます。また、最短1回の通院で治療を開始できて、提携クリニック数も全国にも多く、とても通いやすいです。
毎日を忙しく過ごす方にもとてもおすすめの矯正治療法なので、ぜひお近くの連携クリニックから、初回診断を受けてみてください。
マウスピース矯正どれにしようか迷ったら、「エミニナル矯正」を受けてみて!
月々2,750円から始められるエミニナル矯正は、「安心」で選ばれるマウスピース矯正です。
近年、不適切なマウスピース矯正治療により、残念な想いをされている方がいます。
治療期間が短く、極端に安価であることを謳うマウスピース矯正がでてきている中で、「歯並びの仕上がり結果が、理想から程遠い。噛み合わせが逆に悪くなった。」「当初伝えられた治療費より、結果大幅に総額が高くなり、途中で治療を断念した」などのお声を聞きます。
これらの問題を解決すべく、エミニナルでは矯正のプロ”矯正ドクター”が100%担当する仕組みを作りました。在籍ドクターの治療経験は500症例以上なので、安心です。
エミニナル矯正の矯正相談では、あなた1人1人の矯正に対する不安を取り除き、そもそもマウスピース矯正が合っているのか?、金額や支払い方法はどのようなものがあるのかを丁寧にお伝えしています。
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サービス名 | エミニナル矯正(EMININAL) |
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矯正器具に関するよくあるQ&A
矯正器具に関するよくあるQ&Aについて、それぞれ回答していきます。
Q.ワイヤー矯正をした場合、治療にかかる期間は?
ワイヤー矯正をした場合の治療にかかる期間は、歯並びの状態や、矯正治療への取り組み方によっても異なりますが、目安としてはおよそ1〜3年です。軽度な症例で「部分矯正」だけでも治せるようであれば、6ヶ月〜1年程度で治療が完了することもあります。
ただし、ワイヤー矯正は、およそ1ヶ月に1回、矯正歯科医にワイヤーなどの調整をしてもらう必要があり、定期的な通院ができていなければ、その分治療期間が延びてしまう可能性もあります。
Q.矯正器具の取り付け時間はどのくらい?
ワイヤー矯正の矯正器具の取り付け時間は、1~1.5時間程度です。ブラケットを取り付ける数が多いほど、時間がかかります。そのため、部分矯正であれば、ブラケットを装着する数も少なく、比較的短時間で、矯正器具の取り付けが完了します。
マウスピース矯正の場合は、使用するマウスピース型の装置は「取り外し式」のため、すぐに自分で装着して使用できます。
Q.矯正バネの正式名称はなに?
矯正治療で使用される「矯正バネ」といわれるもののひとつに、フォーサスという歯科矯正の器具があります。上の歯と、下の歯を「フォーサス」の矯正バネでつなげることで、上の歯は奥方向へ、下の歯は前方向へ矯正力を加えて、出っ歯を改善していくことが可能です。
適用症例には限りがありますが、症例によっては抜歯なしで出っ歯を治せるケースもあります。