プレオルソとは？費用や期待できる効果・デメリットを紹介

子どもの歯並びが気になり矯正治療を検討していますか？子どもの歯から大人の歯への生え変わり歯並びがきれいに並ばないと不安になりますよね。様々な治療を検討する中で、プレオルソという治療にたどり着いたのではないでしょうか？

本記事ではプレオルソの実際の治療方法、流れ、メリット・デメリットや費用について解説していきます。

矯正する場合の費用はこちらに記事を参考にしてください。
『歯科矯正の値段の相場は？医療費控除は？矯正費用に関する全情報まとめ』

プレオルソとはどんな治療法？

プレオルソとは、マウスピース型の矯正装置のことです。近年大人の患者さんから人気を集めているマウスピース矯正とは異なり、子どもに特化した矯正装置です。対象となる年齢はおもに4〜9歳程度のお子さんです。

マウスピースは柔らかいシリコン素材でできているため、治療時に痛みや違和感を抑えられるほか、装着する際も簡単な点が特徴です。痛みや付けづらさは子どもにとって治療モチベーションを下げる原因にもなりますが、プレオルソはこうした難点をクリアにした矯正方法として小児矯正で使われています。

マウスピースの特徴

プレオルソで使用するマウスピースは大人のマウスピースと異なります。その特徴を詳しく見ていきましょう。

・痛みや違和感が抑えられる……大人のマウスピースがプラスチック素材でできているのに対し、プレオルソは柔らかいシリコン素材です。成長が続く子どもにとって、サイズが変わったり少しの違和感や痛みがあると治療を嫌がってしまいますが、プレオルソの場合には装着の負担はほとんどありません。

・取り外し可能……従来型ワイヤー矯正の場合、歯に直接装置を取り付けるため調整時の痛みや通院の負担が大きいです。しかし、プレオルソの場合にはお子さんが自分で取り外せるため、食事や歯磨きもこれまでどおりおこなえます。

・印象採取と調整がいらない……大人が使うマウスピースの場合、印象採取と呼ばれる歯型取りの工程が必要となります。粘土のような印象材を口の中に入れて採取するため、子どもにとっては非常にハードルが高く、とくに低年齢の子どもでは嫌がってしまいます。プレオルソの場合この工程が不要なのですぐに治療に入れます。

・舌のトレーニングになる……歯並びの悪さを招く原因の一つに、舌のクセが挙げられます。舌で前歯を押し出してしまうと、出っ歯やすきっ歯につながります。プレオルソを使うことで、舌の癖が改善され、歯並びの改善に効果的です。

プレオルソの種類

プレオルソは印象採取をおこなう必要がありませんが、種類は1つではないため、お子さんの症状や成長に合わせて種類が変えられます。プレオルソの種類は10種類程度あり、タイプⅠ〜Ⅲがあります。悩んでいる症状によってタイプを選択します。

タイプⅠは出っ歯や噛み合わせが深いお子さん向けです。

タイプⅡは、お口が開いてしまうタイプの開咬と呼ばれる症状をもつお子さん向けです。

タイプⅢは、上の歯よりも下の歯が前に出てきてしまっており、受け口のような状態のお子さん向けです。

期待できる効果

プレオルソをすると、矯正治療に近い効果を得られます。おもに改善される症状は次のとおりです。

• 歯並び
• 閉じづらい口
• 噛み合わせ
• 口呼吸
• 発話・発語

プレオルソ治療の流れ

ここからはプレオルソを使った治療の流れを説明します。ほとんど大人の矯正治療と変わりませんが、大きく異なるのは既製品のプレオルソを使うため、嫌がる子には歯型採取がなくても治療が進められる点です。

step1：相談・カウンセリング……まずはプレオルソを実施している歯科医院に相談に行きましょう。子どもの歯並びに関してどのようなことに悩んでいるのか、癖や習慣を含めて矯正歯科師に話します。

step2：（必要があれば）歯型取り……プレオルソは既製品を使うため、歯型の採取はなくても治療はおこなえます。しかし、どのように変化していったのか後々の記録として採取を希望される場合や、歯科医院の方針によっては歯形取りをおこなうところもあります。

step3：診断……お子さんの歯並びがどのような状態なのかについて診断してもらうほか、治療にあたって虫歯などがないかなどもチェックします。治療方法の説明や注意点のほか、通院頻度や費用についても説明してもらい、納得がいけば治療開始となります。

step4：治療……契約が完了したらいよいよ治療に入ります。通院頻度はプレオルソのお渡しから、1ヶ月に1回程度歯の移動状況などの確認のため通院が必要となります。治療も順調に進んできたら治療間隔は長くなります。

プレオルソ治療に関して気になる5つの項目

ここからはプレオルソの治療を始めるにあたって、気になる対象年齢や通院期間などについて説明します。

1.適用年齢

プレオルソは低年齢のお子さんに特化した矯正方法です。適用可能となる年齢はクリニックごとにも異なり、4〜9歳程度としているところもあれば、6〜10歳としているところもあります。これは開始年齢によっても異なりますが、成長が続く10歳くらいまでに始めれば効果が出やすいためです。長期的に使うプレオルソは、成長が穏やかになる時期よりも、成長が著しい4、5歳頃に始め年単位で治療をおこなうことが望ましいといえます。

2.治療費用

プレオルソの治療にかかる費用は、3万円〜20万円程度を見ておきましょう。価格に開きがあるのは、相談料や診察費用が矯正代金に含まれているクリニックもあれば、都度払いのところなど違いがあるためです。最初の相談時にどのような支払い方法になるか、総額でいくらくらいかかる見通しか確認しておくと安心です。

3.治療期間

治療期間はお子さんの成長具合や、歯の移動状況によってもばらつきがありますが、おおむね1年〜1年半程度を見ておくと良いでしょう。歯の変化が早く生じるお子さんや、症状が軽いお子さんでは2ヶ月などの少ない期間で改善が見られるケースもあります。

4.装着時間

よく知られているワイヤー矯正は常に歯につけたままの状態となりますが、プレオルソは自分で取り外しが可能な装置です。一日に装着する時間が決められており、日中の最低1時間、可能であれば長時間つけた状態をキープします。そして寝るときはプレオルソをつけたまま寝ることが望ましく、治療効果もより出やすくなります。

5.装置の手入れ

プレオルソは口腔内に直接入れる装置のため、汚れや衛生面に注意が必要です。毎日中性洗剤で洗浄し、週に1回は矯正用洗浄剤などを使ってつけおき洗いするのがおすすめです。また、歯磨き時に使っている研磨剤はプレオルソを傷つけてしまう可能性がありますので、なるべく使わないようにしましょう。

プレオルソ治療によるメリット5つ

プレオルソ治療は、子どもでも負担なく始められる矯正方法です。各メリットを詳しく見ていきましょう。

①歯型採取がなく始めやすい

歯型採取は粘土のようなものを口に入れてしばし待ってからおこなうなど、嫌がる子どもは多いです。しかし、プレオルソであれば既製品を使うため歯型の採取は絶対に必要なものではありません。

②費用が安価

従来からあるワイヤー矯正の場合、費用相場は数十万円〜100万円を超えるケースもあるなど高額になりがちです。しかし、プレオルソなら高くても20万円程度と費用が抑えられるのはメリットの一つです。

③異物感・痛みが抑えられる

歯に直接つける矯正ですと、痛みや違和感があり、大人であっても食事でさえ嫌になることがあります。プレオルソは日中最低1時間装着していれば良いため、異物感や痛みが抑えられ、食事にも影響しません。また、シリコン素材で柔らかいため、内頬を傷つける心配もありません。

④学校で装着する必要がない

目立ちにくいマウスピース矯正ならまだしも、プレオルソは目立ちやすいです。しかし、学校や外出時に着けている必要はないため、学校生活に影響が出ないのもメリットと言えます。

⑤清潔な歯を保てる

プレオルソは自分で取り外しができるので、小さいお子さんでも簡単に付け外しが可能です。食事以外にも、歯磨きのときに普段どおり過ごせるので、歯を清潔に保てます。これまで主流だったワイヤー矯正では、装置付近に磨き残しや食べ物が詰まりやすいというデメリットがあったため、子どもにはハードルが高い矯正方法でした。しかし、プレオルソであればこうした日常への影響を最小限に抑えられます。

プレオルソ治療によるリスク・デメリット

費用面や治療の継続に関してメリットの多いプレオルソですが、リスクやデメリットも存在します。

細かな歯並び調整は不向き

プレオルソを取り扱っている歯科医院でも説明があるかと思いますが、プレオルソ治療は矯正治療ほどの完成度とはなりません。歯科矯正の前段階との位置付けがされており、歯並びの改善は8割程度と言われています。したがって、細かな歯並びの調整までには至りません。

装着時間・ルールを厳守しないと効果が無い

プレオルソは、日中最低1時間、就寝時の着用が必要ですが、それすらも守られていないと期待する治療効果は得られません。子どもが着用を嫌がったり、付け忘れがあると効果が得られないため、ほかの矯正方法を検討したほうが良いかもしれません。

治療できないケースもある

プレオルソはすべての子どもに治療が適用となるわけではありません。歯並びだけでなく口腔内に多くのトラブルがある場合や、治療継続が難しいと判断されるお子さん、そして歯並びだけでなく骨格に異常が見られるケースなどはプレオルソによる治療は不向きです。

装置の違和感で眠れない可能性がある

プレオルソで治療効果を得るために欠かせない着用時間ですが、寝ているときに着けたままの状態をキープすることが重要です。しかし、着用していることが原因となり、寝苦しく睡眠の質が低下し、日常生活に支障をきたす場合には、治療の継続が難しいです。

歯科矯正を始める年齢に制限はない

お子さんの歯並びが悪いのかもしれない、と気になり始めると歯科矯正を検討される親御さんは多いです。しかし、歯科矯正は子どものうちに始めなければならないというものでもありません。何歳になっても歯の移動は生じますので、自ら治療へのモチベーションが上がったときなど、タイミングを見て矯正を始められるほうが、結果的に効果は得やすいこともあります。

大人になってから始める歯科矯正の種類

プレオルソは大人がやっても効果のない治療方法です。ここからは、プレオルソ以外の大人の矯正方法について、どのような種類があるのか説明します。

ワイヤー矯正（表側）

ワイヤー矯正とは歯を適切な位置に移動させるために歯にワイヤーを装着し、徐々に動かしていく矯正方法のことです。ワイヤー矯正を装着する部位には、歯の表面に装着するものと、口腔内の下側である歯の裏側に着けるものがあります。表側につけると、笑った際や会話時に目立ちやすいというデメリットもありますが、手に取りやすい費用というメリットがあります。

ワイヤー矯正（裏側）

裏側に着けるワイヤー矯正は、会話時に矯正装置が目立たない点はメリットとして挙げられますが、舌側矯正の方が高い技術を必要とするため、表側より費用が高くなる傾向にある点はデメリットです。

また施術可能な矯正歯科医が少ないです。

マウスピース矯正

透明なプラスチック製のマウスピースをつけるマウスピース矯正もあります。こちらは、目立ちにくく、痛みを比較的抑えられるというメリットがあります。選べるブランドも格安〜老舗ブランドまでさまざまです。

人生設計を考慮して歯科矯正を始めよう

プレオルソは子どもでも難易度が低く、費用などの点でメリットも多い治療方法ですが、追加で矯正治療が必要となるケースもあります。

矯正治療は何歳からでも始められ、目立ちにくさや痛みを抑えられるマウスピース矯正であれば永久歯が生え揃ってくる12歳頃から始められます。

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プレオルソに関するよくあるQ&A

Q.プレオルソが適用できる症例は？

A.プレオルソで治療できる症例はおもに、出っ歯やデコボコに生えてしまっている叢生（そうせい）、下の顎が上の顎よりも出っ張っている受け口などです。骨格由来の歯並びの悪化が見られるケースでは治療できないこともあります。

Q.プレオルソは何歳から何歳までできるの？

A.プレオルソで治療ができる年齢は6〜10歳程度です。クリニックによっては4〜9歳程度としているところもあります。お子さんの成長具合などによっても異なります。

Q.プレオルソのメリットには何がある？

A.プレオルソのメリットには、小さい子でも矯正治療ができる扱いやすさと費用面が挙げられます。シリコン製の素材でできた装置を口腔内に入れるため、痛みや違和感を抑えられ、お子さんでも自分で取り外しができます。また、費用面では3〜20万円ほどとリーズナブルな価格で治療できます。