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歯科矯正で口ゴボは改善することができる?口ゴボの原因から徹底解説

前歯や口元が前にモコっと飛び出したような状態である口ゴボを改善するために歯科矯正を考えているのですがという方も多いのではないでしょうか?

本記事では口ゴボの原因や放置するデメリット、口ゴボを改善する方法などについて紹介しています。

自身の口ゴボの改善策についての情報が欲しい方、口ゴボの影響に影響についての情報を得たい方などはぜひ本記事を参考にしてみてください。

口ゴボの改善に有効な歯科矯正の費用について詳しく知りたい方はこちらに記事も参考にしてみてください。
『歯科矯正の値段の相場は?医療費控除は?矯正費用に関する全情報まとめ

浅見 拓哉
監修 矯正ドクター
日本矯正歯科学会 認定医/インビザライン認定ドクター
三上 智彦
監修 矯正ドクター
日本矯正歯科学会認定医/インビザライン認定ドクター
名倉 奈津子
監修 矯正ドクター
東京歯科大学卒/医療法人社団佑健会 勤務

口ゴボってどんな歯並び?

そもそも口ゴボとはどのようなものなのか、基本的な知識を知ることでどのように改善せればいいのかがわかってきます。

口ゴボとはどんな状態?

口ゴボ(くちごぼ)とは、顔を横から見たときに前歯や口元が前にモコっと飛び出したような状態をいいます。

口ゴボは歯科用語ではなく、インターネットやテレビなどから広まった言葉です。「上下額前突」「上顎前突(出っ歯)」などの歯列不正が口ゴボにあたるでしょう。口ゴボの症状は人それぞれで、上の歯だけ前に出ている方や、上下の歯が前に出ている方、顎の骨を含めた口全体が前に突き出ている方などさまざまです。

明確な定義があるわけではありませんが、顔を横から見たときに鼻先から顎先を結んだ線「Eライン」から、唇が大きく超えて飛び出している場合に、口ゴボということが多いようです。鼻先と顎先に指やものさしなどを当てたときに、口元が大きく押しつぶされる感じがある方は、口ゴボになっている可能性があるでしょう。横顔の写真を撮って確認する方法もあります。

口ゴボの印象って?

口ゴボは日本人を含めたアジア人に多い特徴です。口ゴボの芸能人もたくさんいますので、一概に印象が悪いというわけではありませんが、顔のイメージに影響を及す特徴といえます。

口ゴボの程度にもよりますが、横から見たときに口元が「ゴボッ」「モコッ」と 前に突き出しているので「横顔がもっさり」して見えたり「垢抜けない印象」を与えたりします

横顔だけでなく、正面から見たときの顔貌に影響を及ぼすこともあります。口を閉じにくいほど歯が前に飛び出している方は、無理に口を閉じると顎の先に梅干し状のシワができたり、下唇の下に溝ができたりすることもあります。また鼻の下が長く見えてしまう方もいます。

また、横顔の美しさの指標である「Eライン(エステティックライン)」によると、「鼻先から顎先を結んだEラインの、内側かライン上に唇がある状態が美しい」とされています。口ゴボはEラインが崩れている状態なので見た目が良いとはいえず、コンプレックスに感じている方が少なくないようです。

口ゴボになる原因を3つ紹介

どうして口ゴボになるのでしょうか?原因を3つご紹介します。

口呼吸をしている

普段から口呼吸をしている方は、口ゴボになることがあります。

呼吸には、鼻で呼吸する「鼻呼吸」と口で呼吸する「口呼吸」の2種類があります。日常的に口呼吸をしていると、常に口が開いている状態になり、口の筋肉が弱くなって前歯が前に押し出され「出っ歯」や「口ゴボ」の原因となります

舌で押している

舌で前歯を押し出す癖がある方は、出っ歯や口ゴボになりやすいです。無意識のうちに舌が前歯を押し付ける状態が続くと、徐々に前歯が出てきてしまうのです。

顎の成長時期である子どものころに舌で歯を押す癖があると、顎の骨が前方に発達してしまい口ゴボの原因になります。幼少期のおしゃぶり・指しゃぶりや、唇を噛む癖などが、顎の発達に影響を与え口ゴボになることもあります。成長期が終わってからでも、舌で前歯を押し出すことを続けていると、歯が前に傾いて出っ歯になります。

親からの遺伝

親からの遺伝など先天的な要因によって、口ゴボになることがあります。例えば「上の顎の骨が大きすぎる」「下の顎の骨が小さすぎる」「顎が狭すぎる」「上の顎の骨が前に突出している」「下の顎が後方に位置している」などの骨格の問題は、親からの遺伝によるものがほとんどです。

歯の大きさや位置、生え方なども親から遺伝することがあり、口ゴボの原因となります。骨格に問題がある場合は、外科手術と歯科矯正を併用する治療が必要になることもあります。

口ゴボを放置するデメリット

口ゴボを放置すると、どんな悪影響があるのでしょうか?

見た目が良くない

口ゴボが気になる方は、「幼少期に口ゴボが原因でからかわれた」「話すときに口元を手で隠してしまう」「横顔に自信がもてない」など、見た目が気になってコンプレックスになってしまうことがあります。

虫歯や歯周病になるリスクが高くなる

口ゴボで歯並びが悪い方は、歯と歯が重なった部分などに汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすいです。
また口ゴボで唇が閉じにくい方は、口呼吸になるので病原体などが口の中に入りやすいというデメリットもあります。 さらに、口呼吸を続けていると口腔内が乾燥するため、唾液の自浄作用や抗菌作用が低下して口臭や感染症を起こしやすくなったり、体調を崩しやすくなったりします。

噛み合わせが悪い、うまく発声ができない

口ゴボで上下の歯の噛み合わせが悪い方は、うまく食べ物を咀嚼できないことがあります。

また、発音が悪く不明瞭になることもあります。特に舌を前歯の近くに当てて発音する「サ行」「タ行」などは影響が出やすく、うまく発音ができないというデメリットもあります。

口ゴボの人ができる歯科矯正って?

口ゴボの矯正方法には、「マウスピース矯正」「ワイヤー矯正(表側矯正)」「裏側矯正」の3つがあります。それぞれの治療方法の特徴を解説します。

歯並びの状況によっては、治療できる方法が異なることもありますので、詳しくは矯正歯科医にご相談ください。

マウスピース矯正

オーダーメイドのマウスピースを装着し、段階的に交換しながら歯並びを整える歯科矯正方法です。

プラスチック素材の透明で薄いマウスピースを装着するので、矯正中の見た目が気にならない点がメリットです。遠くから見れば、歯科矯正中であることはほとんどわかりません。

固定式のワイヤー矯正は異なり、自分で簡単に着脱することができ、食事や歯磨きなどがしやすい点もメリットです。ワイヤー矯正よりも衛生を保ちやすく、虫歯や歯周病になりにくいです。大切なイベント時には一時的に外すこともでき、ストレスの少ない歯科矯正方法です。

メリット・目立ちにくい
・自分で取り外しが可能
・食事がしやすい
・歯磨きがしやすく虫歯や歯周病になりにくい
デメリット・歯並びによっては、マウスピース矯正ができないことがある
・1日に20時間装着する必要がある
・自己管理が必要
費用の目安70~100万円程度(全体矯正)
10~70万円程度(部分矯正)
治療期間の目安1年~3年程度程度(全体矯正)
3ヵ月~1年半(部分矯正)

ワイヤー矯正(表側矯正)

歯の表側(唇側)に、矯正器具を接着する矯正方法です。昔からある矯正方法で、歯科矯正といえばこのワイヤー矯正をイメージされる方も多いでしょう。

幅広い症例に対応できるのがメリットで、重度の口ゴボの症例でも治療ができます。デメリットは、歯の表側につけた矯正器具が目立つことです。通常は銀色のギラギラした見た目の装置なので、いかにも矯正していますという見た目になってしまいます。白や透明の目立ちにくい装置を選ぶことも可能です。

メリット・幅広い症例に対応可能
デメリット・目立つ
・自分で取り外せない
・虫歯や歯周病になりやすい
・ワイヤーが当たって痛みがでることがある
費用の目安60~100万円程度(全体矯正)
8~50万円程度(部分矯正)
(白や透明の装置を選択すると、追加費用が発生)
治療期間の目安1~3年程度(全体矯正)
3ヵ月~1年程度(部分矯正)

裏側矯正

歯の裏側(舌側)に矯正装置をつける矯正方法です。表側から矯正装置が見えないというメリットがあります。表側矯正のようにワイヤーで歯を動かしていくので、幅広い症例に対応できます。  

メリット・目立たない
・幅広い症例に対応可能
デメリット・自分で取り外せない
・装置が粘膜に当たって痛みがでやすい
・費用が高い
・食事がしにくい
・発音や滑舌に影響を及ぼすことがある
費用の目安90~150万円程度(全体矯正)
15~65万円程度(部分矯正)
治療期間の目安2~3年程度(全体矯正)
3ヵ月~2年程度(部分矯正)

口ゴボは自力で治る?

口ゴボで悩んでいる方の中には、前歯に自分で力をかけて自力で治そうとする方が少なからずいらっしゃいます。しかし、自力で押しても口ゴボは治らないです。仮に治ったように見えたとしても、歯にダメージを与えることがあり、とても危険です。

自分で歯を押して動かそうとすると、歯に力がかかりすぎて歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。知覚過敏・歯周病になることもありますし、かえって歯並びが悪くなることも。

そもそも歯科医院での歯科矯正は、歯を動かす力や方向などしっかりと計画を立て歯に負担をかけ過ぎないように計算して行うものです。自力で治そうとする行為は危険なので絶対にやめましょう

自分で口ゴボを治すことはできなくても、口ゴボを悪化させないようにすることはできます。「舌で前歯を押す癖」「唇や爪を噛む癖」「口呼吸」などの悪習慣がある方は、すぐにやめるよう意識しましょう。口ゴボや歯並びがこれ以上悪化しないように、現状を維持することも大切です。

くわしく知りたい方は下記の記事で解説しているので、参考にしてみてください。

まとめ

口元が前に出ている「口ゴボ(くちごぼ)」について、詳しく解説しました。口ゴボになる原因は「口呼吸」「舌で前歯を押す癖」「遺伝」などです。

口ゴボはマウスピース矯正や、ワイヤー矯正で治せます。どんな矯正方法があっているのかは、一人ひとりの口の状況によって変わりますので、口ゴボが気になっている方は歯科医院で相談してみましょう。

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大人の歯科矯正に関するQ&A

大人の矯正は何年かかる?

大人の歯科矯正は、目安として1年~2年半くらいの治療期間がかかります。歯並びやお口の状況などによっても異なります。また「マウスピース矯正」「ワイヤー矯正」「裏側矯正」など矯正方法によっても、治療期間が異なることがあります。

歯を動かす期間が終わると、歯の後戻りを防ぐための保定装置(リテーナー)をつける、保定期間が必要になります。この保定期間は、矯正治療にかかった期間にプラスして半年程度が理想です。マウスピース矯正の場合はリテーナーもマウスピース型が多いです。歯を動かすわけではないので、矯正中と違って痛みがでるわけではありません。

歯の矯正の最短期間は?

前歯など一部の歯だけを矯正する「部分矯正」や、軽度の症例を矯正する場合は、最短3ヵ月の治療期間で矯正できることがあります。

マウスピース矯正の場合、装着時間をしっかりと守らないと治療期間が長引いてしまうことがあります。マウスピースの装着時間を必ず守り、虫歯や歯周病などの歯のトラブルを避けるためセルフケアを徹底すると、治療期間が長引かず早く終わらせることができるでしょう。

歯科矯正は何ヶ月で変わる?

歯科矯正を始めてから数ヶ月で、歯が動いている実感を得られることが多いです。基本的に、マウスピース矯正は4週間で最大1mmほど歯を動かすように計算しています。そのため、歯並びによっては1ヶ月目から歯並びの変化がわかることもあります。

ただ歯の動き方は個人差が大きく、身体の代謝が高い成長期の方の方が早く歯が動く傾向にあります。また、奥歯よりも前歯の方が、速く歯が動くことが多いです。

早く歯並びを綺麗にみせたいという場合は「セラミック矯正(セラミック治療)」という方法もあります。歯を削ってセラミックの被せ物をすることにより歯並びを整えるので、最短1ヶ月ほどで治療が完了します。


Emi

デパコスからドラコスまで大好きな、根っからの美容好き。最近は美容医療領域の興味関心度が高い。綺麗に年を重ね、素から綺麗を目指したい。