インビザラインは世界で有名なマウスピース矯正のブランドで、小児矯正から成人矯正まで幅広い症例を取り扱っている歯科矯正です。
では、出っ歯で悩んでいる人にとってインビザラインは適切な矯正方法で、失敗するリスクはどのぐらいあるのでしょうか?
本記事では、インビザラインの実際の口コミから、出っ歯の方にとってインビザラインは適正なのかについて徹底解説していきます。マウスピース矯正を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
インビザライン以外のマウスピース矯正の費用が気になる方はこちらに記事も参考にしてみてください。
『マウスピース矯正の値段はいくら?治療範囲・年齢・流れ別に徹底紹介』
インビザラインの特徴
インビザライン(invisalign)は、透明なマウスピースを装着することによって、少しずつ歯に力をかけて歯並びを治すマウスピース型矯正システムです。アメリカで開発・提供されている、世界で最も普及しているマウスピース矯正のひとつです。
インビザラインなどのマウスピース型矯正装置は、従来のワイヤー矯正と比べて「目立ちにくい」「自分で簡単に取り外しができる」「痛みや違和感が抑えられる」「食事がしやすい」「歯磨きがしやすく虫歯や歯周病になりにくい」「通院回数が少なくてすむ」などのメリットがあり、とても人気があります。
それでは、インビザラインの特徴を詳しく解説していきます。
世界1200万人が使用する実績
マウスピース矯正「インビザライン・システム」は、1999年にアメリカで提供を開始して以来、世界100か国以上、1200万人以上の方が治療を受けている実績のある矯正システムです。
インビザラインを提供する米国「アライン・テクノロジー社(Align Technology, Inc.) 」は、マウスピース型矯正装置のパイオニア企業です。アメリカ・ヨーロッパなどでよく使われているグローバルスタンダードのブランドで、日本では2006年から販売が開始されマウスピース矯正システムの中でも多くの方に認知されています。
最先端テクノロジー導入
インビザラインには、さまざまな最先端テクノロジーが導入されています。
マウスピース(アライナー)は、独自に開発したスーパープラスチック「SmartTrack(スマートトラック)」という新素材で作成されています。
適度なしなりや柔らかさがある素材で、「歯に持続的な力をかけられる」「歯を正確に動かせる」「装着感・審美性・フィット感に優れている」「弾力性があり取り外しがしやすい」などのメリットがあります。
また、3D口腔内スキャナーのiTero(アイテロ)を導入している歯科医院では、口腔内カメラを歯に添わせるだけで歯型データが取得できます。歯型データを専用ソフトに読み込ませると、矯正中の歯の動きのシミュレーションが可能です。歯が動いて治っていく様子を画像で確認できるので、治療のイメージしやすいでしょう。
インビザラインで出っ歯になってしまう原因は?
「出っ歯になる原因はなに?」「歯が出ているのが気になる…」といった悩みを抱える方は少なくありません。
そもそも出っ歯とは、上の歯が前方に出ている状態を指す俗語のことで、医療用語では「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」といいます。出っ歯になる原因について解説していきます。
【原因1】遺伝
遺伝によって、出っ歯になることがあります。顔や体つきが親から子へ遺伝するように、顎の骨や歯の生え方も遺伝するのです。
「生まれつき上の顎の骨が大きい」「上の顎の骨が前に出ている」「下の顎の骨が生まれつき小さい」など、上下の顎骨のバランスが悪いと出っ歯になってしまいます。顎の骨に問題が無くても、遺伝的に前歯が前方に位置していることによって、出っ歯になることもあります。
遺伝が原因で、骨格に問題がある場合は個人の努力で出っ歯を防ぐことは難しく、歯科医院での矯正治療が必要になります。
【原因2】口周りの癖
何気ない口周りの癖や悪習慣によって、出っ歯になることがあります。「指しゃぶり」「舌や爪を噛む癖」「舌で前歯を前に押す癖」がある場合は要注意です。
指や舌の力が長期にわたってかかると、徐々に前歯が動いてしまいます。また上下の顎の位置関係がずれてしまい、出っ歯になることもあります。
【原因3】柔らかいものばかり食べている
柔らかい食べ物ばかり食べていると、出っ歯になりやすいです。柔らかいものを食べていると、前歯で噛む癖がつきやすくなります。その結果、舌が前方に出て前歯を押してしまいやすくなり、出っ歯になるのです。
また、成長期に噛み応えのあるものを食べず柔らかいものばかり食べていると、顎の骨の成長が促されず、歯がきれいに並びきらなくなり出っ歯になってしまう可能性もあります。
【原因4】背中を丸めて食事をしている
背中を丸めて食事をする癖があると、前歯で噛むことが多くなりがちです。前歯でばかり噛んでいると、舌を奥歯の方へ動かす筋肉が十分に発達しません。その結果、常に舌で前歯を押し出すようになり、出っ歯になってしまうのです。
【原因5】虫歯によって歯並びが悪くなる
虫歯によって乳歯を早期に失うと、そのスペースに向かって周囲の歯が動いてしまうことがあります。その結果、歯並びが悪くなります。乳歯が虫歯になったら放置せず、早めに歯科医院で診てもらうことが大切です。
【原因6】 口呼吸で歯並びが悪くなる
日常的に口呼吸をしていると、出っ歯になることがあります。口呼吸をしていて常に口をポカンと開けていると、唇で歯を押さえる力が働きません。その結果、歯が徐々に前方に出てしまい出っ歯になってしまうのです。
口呼吸をしている場合は、早めに鼻呼吸に改善しましょう。
インビザラインで出っ歯は治せる?
出っ歯の状態によって、インビザラインで治せる場合と、治せない場合があります。
インビザラインなどのマウスピース矯正で治せない場合は、「ワイヤー矯正」「外科手術とワイヤー矯正の併用」「ワイヤー矯正とマウスピース矯正の併用」などで歯並びを治します。
インビザラインで対応できる歯並び
インビザラインで対応できる歯並びの一例をご紹介します。
こちらにご紹介する歯並びでも、重度の症例などはインビザラインで対応できないと診断されることもあります。詳しくは矯正歯科医にご相談ください。
叢生(歯がでこぼこに並んでいる)
歯が重なっていたり、デコボコに生えていたりする歯並びを「叢生(そうせい)」といいます。歯の大きさに対して顎の骨が小さく、歯の生える場所が足りない状況です。叢生は、インビザラインなどのマウスピース矯正で対応できることが多いです。
開咬(上下前歯の間があいている)
上下の歯を噛み合わせた時に、前歯に隙間ができてしまう歯並びを「開咬(かいこう)」「オープンバイト」といいます。骨に問題がない開咬であれば、インビザラインで対応できる可能性があります。
上顎前突(出っ歯)
上の前歯が前にでている歯並びを「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」や「出っ歯」といいます。骨格に問題がない出っ歯は、インビザラインで対応できることが多いでしょう。
反対咬合(受け口)
上下の歯を噛み合わせた時に、下の歯が上の歯よりも前方にくる歯並びを「反対咬合(はんたいこうごう)」や「下顎前突(かがくぜんとつ)」「受け口」などと言います。
遺伝的要素や骨格的な問題によって反対咬合になることが多いですが、舌を前に出す癖などによって反対咬合になることもあります。
インビザラインで対応が難しい歯並び
インビザラインなどのマウスピース矯正は、骨格的に問題がある歯並びは対応が難しいです。また骨格に問題がなくても、歯を大きく動かす必要がある症例は、治療に時間がかかってしまうため向いていないことがあります。
上下顎前突(骨格的にあごの位置がずれている)
上下の顎の骨が、両方前に出ている状態を「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」といいます。顎の骨の位置や、上下の骨の大きさに問題がある場合はインビザラインでは対応が難しいです。
過蓋咬合(噛み合わせが深い)
上下の歯を噛みしめたときに、下の歯が上の歯に隠れて見えないほど噛み合わせが深い状態を「過蓋咬合(かがいこうごう)」「ディープバイト」といいます。顎の骨の大きさや位置関係の問題が原因になっていることが多く、ワイヤー矯正で治療するのが一般的です。骨格的な原因が大きい場合は、外科手術を併用することもあります。
クロスバイト(奥歯の噛み合わせが左右にずれている)
上下の歯並びが部分的にクロス(交叉)している歯並びを「クロスバイト」「交叉咬合(こうさこうごう)」といいます。下の顎の骨そのものが左右どちらかにずれている場合は、外科手術を併用して歯科矯正をすることがあります。
インビザラインで横顔は綺麗になる?
出っ歯を改善することで、美しい横顔とされるEラインが生まれます。Eラインとは、横顔の美しさの基準とされるラインのことです。鼻先から顎先を結んだラインよりも内側(またはライン上)に唇があると、美しい横顔であるとされています。
出っ歯の方はEラインが崩れていることが多いのですが、出っ歯を治して前歯を引っ込めると、Eラインが整い綺麗な横顔になれるでしょう。
SNSでの口コミ
インビザラインで出っ歯を治療している方の口コミをご紹介します。
・経過に関する口コミでは「インビザラインで歯列がきれいに整ってきた」、「出っ歯が引っ込んできた」などが多くありました。
・インビザラインの「矯正終了後や一定期間の経過後に前後比較し、矯正に満足している様子」が多くみられました。
上記のような肯定的な意見が多くありましたが、一方でごく少数ですが、「出っ歯がひどくなった」などの意見もありました。
えっ、インビザラインで出っ歯になる!?
「インビザラインで出っ歯になった」という口コミが、ブログ・知恵袋・SNSなどで口コミが散見されていて、不安になってしまう方は少なくないようです。しかし、実際にはほとんどありません。ではなぜ、そのような口コミがあるのでしょうか?
そもそも歯並びを治す場合には、歯をきれいに並べるためのスペースが必要です。そのため、小臼歯を抜歯したり、IPR(歯と歯の間をわずかに削る処置)をしたり、奥歯を後方に移動させたりしてスペースを作ります。しかしそのスペースを生み出さずに矯正をしてしまうと、出っ歯になるケースがあります。
ワイヤー矯正の場合は抜歯をしてスペースを作ることが多いため、矯正をして出っ歯になるということは少ないのです。しかし、マウスピース矯正では、抜歯する必要がある歯列なのに非抜歯で矯正を行うことや、最初の治療計画を誤るなどすると、出っ歯になる可能性があるのです。
インビザライン治療で出っ歯になってしまうことを避ける為には、矯正治療を専門とした歯科医である矯正歯科医にしっかりとしたカウンセリングを受けることがとても大切です。
インビザラインによる出っ歯の治療法
出っ歯を治すためには、前に出ている前歯をきれいに並べるための「スペースを作る処置」が必要になります。
抜歯する場合
抜歯をしてできたスペースを利用して、出っ歯を引っ込めて歯並びを整える治療方法です。
抜歯治療をする場合は、一般的に前歯から数えて4番目の「第一小臼歯」を抜きます。
重度の出っ歯の場合は、抜歯をして歯科矯正をした方が仕上がりがきれいになることが多いです。
抜歯しない場合
抜歯以外の、歯を並べるスペースを作る処置についてご紹介します。
IPRの治療法
IPRとは、「Interproximal Enamel Reduction」の略で「アイピーアール」と読みます。歯と歯の間のエナメル質をわずかに削る(やすりをかける)ことにより、歯を動かすスペースを作る処置のことです。
削る量は0.2~0.5mm程度なので、痛みが出ることはほとんどなく、歯の健康や寿命に問題はありません。「ストリッピング(Stripping)」や「ディスキング(Disking)」 とも呼ばれます。
奥歯の後方移動を伴う治療
奥歯を後ろに移動させることによって、出っ歯を引っ込めるスペースを作る治療方法です。
一番奥の歯(第二大臼歯)をまず後ろに動かし、できたスペースに隣の歯(第一大臼歯)を動かすといった具合に、順々に歯を後方へ移動させて前歯をきれいに並べる隙間を作っていきます。インビザライン(マウスピース矯正)は、この後方移動(遠心移動)が得意と言われています。
矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント)を併用して、後方移動力を強化させる方法もあります。
インビザラインで出っ歯を治すためにかかる費用
インビザラインには、「コンプリヘンシブ(フル)」「モデレート」「ライト」「エクスプレス」「IGO(部分矯正)」「ファースト(小児矯正)」などさまざまなプランがあり、それぞれ費用が異なります。インビザラインのプランの特徴や、費用の大まかな目安について解説していきます。
また、歯科医院によって、治療ごとの処置費用(調整料)が別途かかるところもあれば、すべて含まれた料金を最初に提示する「トータルフィーシステム」を取り入れているところもあります。詳しくは、各クリニックへ確認しましょう。
コンプリヘンシブ
(重度:あらゆる歯並びの悩みに)
「インビザライン・コンプリヘンシブ」は、すべての歯が矯正対象になる最も一般的なプランです。インビザラインの中でも最も古くからあるプランで、以前は「インビザライン・フル」と呼ばれていました。
重度の歯並びの不正を含めた、あらゆる歯並びの悩みに対応可能なプランです。マウスピース(アライナー)の枚数や、治療期間の制限がないので適応症例が幅広く、取り扱っている歯科医院が最も多いです。他のプランよりも自由度が高く、高い精度で治療を行え治療計画の変更も柔軟に対応できます。
・費用の目安 70~130万円
・治療期間の目安 2~3年程度
・アライナーの枚数制限 無制限
モデレート
(中度:大きく咬み合わせを変えない中度の症状に)
「インビザライン・モデレート」は、軽度~中度の歯並びの不正に対応したプランです。前歯から奥歯まですべての歯に対応でき、叢生(歯並びのガタツキ)、空隙(すきっ歯)、上下の顎の前後的位置改善などが可能です。アライナーの枚数は最大で26枚までです。
・費用の目安 60~75万円
・治療期間の目安 1~2年程度
・アライナーの枚数制限 26枚
ライト
(軽度:軽度の噛み合わせの悩みや、少しガタガタしている歯並びに)
「インビザライン・ライト」は、軽度の歯並びの乱れに適応するプランです。前歯~奥歯まで、すべての歯に対応可能ですが、マウスピース(アライナー)の数は14枚以内、治療期間は2年以内です。14枚以内で動かせる、軽度の歯並びのガタツキが対応となります。
・費用の目安 40~60万円
・治療期間の目安 1~2年程度
・アライナーの枚数制限 14枚
エクスプレス
(ごく軽度:ちょっと気になる歯並びのずれに)
「インビザライン・エクスプレス」は、ごく軽度の症例に対応したプランです。アライナーの数は7枚まで、治療期間は1年以内までと、かなり限定されています。ちょっと気になる歯並びのずれや矯正後の後戻りの治療など、非常に簡単な症例にのみ対応可能です。
・費用の目安 20~40万円
・治療期間の目安 6ヶ月~1年程度
・アライナーの枚数制限 7枚
まとめ
「出っ歯」「上顎前突」は、基本的にインビザラインなどのマウスピース矯正で歯科矯正が可能です。出っ歯を矯正治療すると、歯並びがきれいになるだけでなく、Eラインが整い横顔がきれいになるという効果も期待できます。
インビザラインにはさまざまなプランがあり、それぞれ費用が異なります。「どのプラン(パッケージ)を選択するか」、「抜歯が必要かどうか」などは歯並びや出っ歯の状態によって変わってきます。
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Q.インビザラインの痛みは?
A.インビザラインに限らず、マウスピース矯正は痛みや違和感が抑えられる治療方法です。ただワイヤー矯正同様、マウスピースの交換時や交換後数日程度は違和感を感じる人もいます。どうしても違和感が拭いきれない場合には、マウスピースを一つ前に戻したり、削って使ったりして対応します。
Q.インビザライン以外にもマウスピース矯正はある?
A.インビザライン矯正以外にも国内外発のさまざまな矯正ブランドがあります。
その中でも、キレイラインを始め10-15程度のマウスピース矯正ブランドがあります。インビザラインのような中度〜重度を対応できるブランドは一部で、格安マウスピース矯正と言われるリーズナブルな価格で矯正治療ができるものもあります。
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