2022年11月16日
2023年3月6日歯並びがコンプレックスに感じ始めてから、思うように笑えなかったり、写真を見返すたびに落ち込んだり。そんな経験から、大人になって歯科矯正を考え始めた人も多いと思います。
なぜ歯並びが悪くなってしまうのか、どのような対策があるのか。
本記事では、矯正のプロの目線から歯並びが悪い原因や対策方法について徹底解説していきます。矯正方法を選ぶ際の参考にしていただけばと思います。
歯並びが悪い原因って？
歯並びが悪いと言っても、どのような状態かは人それぞれです。特徴的な状態から原因を探ってみましょう。
ガタガタの歯並びになる原因
歯の表面がガタガタ、歯の下のラインがガタガタなど、全体的に歯が綺麗に生え揃っていない状態の歯並びは良くない印象を与えてしまいます。
歯がガタガタになってしまう原因には、歯が傾いて生えてきてしまっていたり、舌で歯を押し出してしまったり、頬杖などの癖によって歯が傾いてしまったりといった原因が考えられます。
歯がガタガタの状態を放置しておくと、歯磨きがしづらく歯が重なり合っている部分に磨き残しが生じやすくなります。すると虫歯や歯周病につながってしまう可能性があります。
すきっ歯になる原因
すきっ歯は、歯と歯の間に隙間がある歯並びのことを指します。すきっ歯の原因には、生まれつきのものから、虫歯などで歯を失いスペースができたことでほかの歯が移動してしまったなどの原因が考えられます。
すきっ歯を放っておくと、隙間部分に食べ物が詰まりやすくなり、磨き残しから虫歯や歯周病に発展する可能性があります。また、隙間から息が漏れるため話が聞き取りづらいなどと思われてしまう可能性があります。
出っ歯になる原因
出っ歯は上の前歯が前に出っ張って生えている状態を指します。出っ歯になる原因には、先天的な理由と後天的な理由が挙げられます。まず先天的な理由としては、生まれつき上の顎が出っ張っていたり、下の顎が引っ込んでいるなど骨格に問題があります。
一方、後天的な理由としては幼少期のおしゃぶりや指しゃぶりの長期的な癖により、前歯が前に出てしまうことや、生まれつきのものから舌で前歯を押し出してしまう癖が原因でなることもあります。
また、出っ歯を放っておくと見た目に影響があるだけでなく、口が閉じづらいことからドライマウスになってしまったり、虫歯や歯周病につながる可能性があります。
今日からできる歯並びが悪くなるのを防止する方法って？
歯並びは先天的な理由以外にも、普段の習慣や癖によっても悪化します。逆に言えば、普段の癖を改めることで、これ以上悪化させることを防ぐことが可能な場合もあります。
悪い生活習慣をなくすこと
自分で気づかないうちにおこなっている、歯並びを悪くする習慣は次のとおりです。
- 頬杖
- うつ伏せ寝
- 歯ぎしり
- 舌で歯を押す
- 口呼吸
これらが思い当たる人は歯並びを知らないうちに悪化させてしまっている可能性が高いです。意識的にやめるよう心がけましょう。
悪い歯並びって自力で治るの？
悪い歯並びになってしまわないために日々の生活習慣を改めることは有効な手段です。しかし、すでに悪くなってしまった歯並びも自分で改善できるのでしょうか。
自力で治すことは難しい
ネットで検索すると、自力で歯並びを改善する方法なるものがヒットすることもありますが、それは非常に危険な行為です。歯は見えている部分だけでなく、歯茎の中の奥深くの骨とつながっており、無理やり自分で負荷を与えて動かそうとすると、ダメージを受けてしまいます。
最悪の場合、余計に歯並びを悪化させてしまうことさえあります。
歯並びを悪くしないための習慣づけは大切ですが、歯並びの改善には歯科医師による専門的な治療が必要です。
悪い歯並びを治すオススメの矯正方法って？
歯並びを綺麗にするには歯科矯正が効果的です。種類がいくつかありますので、それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
マウスピース矯正
近年人気を集めているマウスピース矯正は、ブランドも増え価格や内容によって選べる幅が広がっています。おもな特徴は次のとおりです。
目立ちにくい
透明なマウスピースを使って歯の移動を生じさせるため、矯正中であることが他人にバレにくいです。
自分で取り外しできる
マウスピース矯正は自分で取り外すことができます。歯ブラシをするときや、冠婚葬祭、どうしても仕事の都合上外さざるを得ないときなどに便利です。
清潔に保てる
装置が着脱可能なので、これまでどおりの口腔ケアができます。ワイヤー矯正ですと、装置の周りに食べ物が詰まったり、同じ箇所に汚れがたまったりするなど清掃性の悪化にはとくに注意が必要です。
虫歯や歯周病のリスクが下げられる
歯もマウスピースも清潔にキープできるため、矯正中に発生しがちな虫歯や歯周病などにかかるリスクが下げられます。
痛みや違和感を抑えられる
マウスピースは一定の期間ごとにマウスピースを付け替えます。したがって、口の違和感や痛みを感じることを抑えられるといえます。
マウスピース矯正を使った治療にかかる費用と期間は患者さんの症状の程度によっても異なります。また、選ぶ矯正ブランドによっても大きく違います。
おおまかな費用は、軽度の症例で30〜80万円程度、中程度の症例で45〜90万円程度、重度の症例で70〜110万円ほどかかります。
治療にかかる期間は、軽度の場合に半年〜1年ほど、中程度〜重度の症例では1〜3年ほどかかります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は歯科治療のなかでも歴史が長い矯正方法の一つです。ワイヤーとブラケットと呼ばれる装置を歯に直接つけて、歯を移動させるための負荷をかけます。ワイヤー矯正の特徴は次のとおりです。
さまざまな症例に対応可能
抜歯を伴うようなダイナミックな歯の移動や、アンカースクリューなど複雑な矯正方法との併用も可能です。
歯の移動が生じやすい
常時歯に装置がついていて負荷がかかった状態が続くため、歯の移動を起こしやすく、期待どおりの結果が得られます。
歯科医師の診察が受けられる
数週間〜1ヶ月に1回程度ワイヤーを調整する必要があり、来院します。その際に歯科医師によって歯の移動状況や口腔内の状態がチェックしてもらえます。
つけ忘れや紛失の恐れがない
マウスピース矯正のように自分で取り外しができないぶん、紛失やつけ忘れることがありません。
ワイヤー矯正にかかる費用と治療期間は、軽度の場合8〜45万円ほどかかり、中〜重度の場合には60〜100万円ほどかかります。治療期間は軽度の場合で3ヶ月〜半年、中程度〜重度の場合で1〜3年ほどです。
裏側矯正
目立ちやすい歯の表面と違い、歯の裏側に施す矯正方法もあります。こちらは会話をするときなどには見えない部分に矯正装置をつけるので、目立ちにくいことがメリットとして挙げられます。
一方のデメリットとして、表側同様清掃性が困難になることも考えらること、費用が表側よりも高額になること、適応できる範囲が表側よりは少ないことが挙げられます。
裏側矯正にかかる費用と治療期間は、軽度の場合30〜60万円ほどで中〜重程度の場合には100〜170万円ほどかかります。治療期間は軽度の場合で1年程度、中〜重程度で2〜3年ほどかかります。
小児矯正
幼少期におこなう歯科矯正は、体の成長段階や歯の生え変わりの時期に合わせて治療をスタートさせます。
体も成長段階にある子どもは、歯の移動も起こしやすいことが多く、矯正を始めるのには良いとされています。メリットがある一方、小児矯正では治療期間が大人よりも長くかかってしまい、その分治療にかかる費用も高くなることもあります。
小児矯正では、治療を始める年齢によってかかる期間や費用も異なります。6〜10歳頃におこなう矯正では、30万円ほどかかり数年ほど治療期間もかかります。一方、10歳以降〜15歳頃までにおこなう矯正では、30〜50万円ほどかかり、治療期間は1年半〜2年半程度です。
まとめ
歯並びが悪い原因には、先天的な顎骨の形状が原因である場合と、普段の癖などが原因となって起こるもの、歯が傾いて生えてきてしまったことなどが考えられます。
いずれの原因でも、悪化させないための習慣を改めることは大切ですが、自力で改善することはできません。専門家である歯科医師に相談し、どのような治療方法があるのかなどまずは相談してみることをおすすめします。
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歯科矯正に関するQ&A
Q.抜歯って必要なの？
A.歯科矯正では抜歯が必要なケースもあります。その理由として歯を移動させるための十分なスペースが確保できず、抜歯によって移動のための空間を設けるためです。
しかし、こうした妥当な理由がないかぎり安易な抜歯や歯の切削は歯の寿命を短くすることにつながります。もし抜歯を提案されたら抜歯が必要な理由をしっかり確認しましょう。
Q.歯並びが悪いと虫歯や口臭がキツくなるってほんと？
A.歯並びが悪いと、見た目以外にさまざまな悪影響を及ぼします。歯並びが悪い状態とは、歯がガタついていたり、すきっ歯があるなど清掃性が困難であることが少なくありません。すると十分に磨けずに虫歯や歯周病になってしまい、口臭につながることもあります。
Q.矯正って大人でもできるの？
A.歯科矯正に年齢制限はありません。小児矯正のほうが成長に合わせて矯正が開始できるため歯の移動も起こしやすいですが、何歳になっても歯並びは改善できます。なかには、60歳を超えてから始められる人もいます。
加齢とともに口腔内の機能も低下するため、歯科矯正によって口を良い環境にしておくことは歯の健康だけでなく全身の健康にとってもメリットがあります。
