八重歯の矯正は顔が変わる？変化を感じやすい部分とそのままにするリスクを解説

「八重歯を矯正すると顔が変わる」という話を聞いたことがある人も多いと思います。しかし、そのまま放置するリスクの方が大きい可能性がある、ということも事実です。八重歯の矯正費用を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください『歯科矯正の値段の相場は？医療費控除は？矯正費用に関する全情報まとめ』

本記事では、矯正歯科医の監修のもと、八重歯の人が矯正する際のメリットやデメリット、リスクについて解説していきます。これから矯正を始めようか迷っている人、八重歯をそのままにしておくデメリットについて知りたい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

八重歯の矯正は顔の変化を感じやすい

「歯科矯正をすると、顔の印象が変わる」「八重歯の矯正は顔が変わりやすい」と聞いたことがありますか？もちろん歯科矯正は美容整形とは違い、顔を変えるものではありません。しかし歯並びが変わると口元の印象が変わるので、顔立ちの印象もおのずと変わって見えるのです。

本来「八重歯（やえば）」とは、歯がほかの歯と重なっている状態のことをいいます。特に上の中央から数えて3番目の「犬歯」は隣の歯と重なったり外側に飛び出しやすく八重歯になりやすいため、犬歯が歯列の外にはみ出している状態を八重歯と呼んでいます。

犬歯はほかの人から良く見える位置にあるので、顔の印象に大きな影響を与えています。八重歯はとても目立つので、歯科矯正をすると顔立ちの変化を感じやすいのです。

八重歯の矯正によって顔のどこが変わる？

八重歯矯正をすると、どのような顔の変化があるのでしょうか？

変化①：ほうれい線

八重歯矯正で変化を感じやすいのは、「ほうれい線」です。矯正によってほうれい線が薄くなったり、消えたりする方が多いです。ほうれい線の原因は加齢だと思われがちなのですが、八重歯があることによってほうれい線を引き起こしていることもあります。

八重歯矯正によって「ほうれい線」が改善される理由をご紹介します。

よく噛めるようになるため

八重歯がある方は口全体的のか噛み合わせが悪いことが多く、良く噛めないことで口周りの筋肉（表情筋）が衰えてしまいます。その結果肌がたるみ、ほうれい線ができやすくなってしまうのです。

八重歯を治して良く噛めるようになると表情筋が鍛えられ、ほうれい線が薄くなる可能性があるでしょう。

突出していた八重歯が引っ込むため

八重歯が口周りの皮膚を持ち上げるような状態になっているケースでは、ほうれい線が目立ってしまうことがあります。突出した歯並びを治すとほうれい線が目立ってしまう可能性があります。

口呼吸が治るため

八重歯のため口が閉じにくい方は、口呼吸になりやすいです。いつも口を開けていると口を閉じる筋肉が衰えてしまい、肌の張りが失われほうれい線が目立ちやすくなります。八重歯の矯正をして口が閉じやすくなると、ほうれい線が目立たなくなることがあるでしょう。

変化②：横顔・Eライン

八重歯の治療をすると、横顔の変化・Eラインの変化も感じやすいです。「Eライン」とは横顔の美しさの基準となるもので、鼻先と顎先を結んだラインより内側（またはライン上）に唇がある状態が、美しいとされています。

八重歯がある方は口元が前に突出して膨らんでいることが多いのですが、矯正で歯並びを治すと口元も内側に引っ込み、Ｅラインが整って横顔のシルエットが美しくなることが多いです。

変化③：顔の歪み

歯科矯正で歯並びや噛み合わせのバランスを整えると、顔の筋肉をバランスよく使えるようになるので顔の歪みが解消されることが多いです。

良く噛めるようになることで、顎周りにかかっていた余計な負担が軽減され「フェイスラインがシャープになる」「エラの張りが改善される」などの嬉しい効果も期待できます。

八重歯の矯正で好ましくない顔の変化が起きるリスク

八重歯の矯正をすると、良い変化がある一方で好ましくない顔の変化があるケースも存在します。

例えば、八重歯によって皮膚が押し上げられて肌の張りが保たれていたケースでは、八重歯を引っ込めると肌の「たるみ」「しわ」「ほうれい線」などが目立ってしまうことがあります。エラの過剰な発達が収まった結果「頬がこけた」ように感じることもあります。

八重歯を矯正せずそのままにしておくとどうなる？

日本では「八重歯は可愛い」というイメージがあるので、八重歯は矯正しないでそのままにしておいてもいいかと考える方もいらっしゃるでしょう。

ただし、八重歯にはその見た目以外にさまざまなデメリットがあります。そのまま大人になると将来的に困ったことになるかもしれません。

歯の健康を損なう

八重歯は隣の歯と重なり合うように生えているので、歯ブラシの毛先が当たりにくく汚れが残りやすくなります。汚れが残ったまま放置していると細菌が繁殖し、虫歯や歯周病の原因になります。

虫歯や歯周病が重症化すると、歯を失うことにもつながります。八重歯によって口腔粘膜が傷つき口内炎ができやすくなることもあります。

口呼吸になりやすい

唇側に大きく飛び出しているような八重歯の方は、口が閉じにくいので口呼吸や口腔内の乾燥につながりやすいです。口呼吸は、口臭の原因になったり細菌やウイルスに感染しやすかったりすることがあります。普段から口が閉じにくい方は、将来の健康のために歯科矯正を検討してみましょう。

健康バランスが崩れる

食べた物を十分に噛み砕けず飲み込むことが多いので、胃腸への負担をかけやすくなります。矯正で歯並びや噛み合わせを治すと、全身の健康へも良い影響を与えることでしょう。

八重歯矯正には抜歯する・しないパターンがある

八重歯矯正は、「抜歯を伴うケース」と「抜歯を伴わないケース」があります。どんなときに抜歯が必要になるのでしょうか？

抜歯が必要なケースとは

八重歯が大きく飛び出していたり、隣の歯との重なりが大きかったりするケースでは抜歯が必要になります。一般的には八重歯（犬歯）の奥の「小臼歯」などを抜歯して歯を並べることが多いのですが、八重歯を抜歯するケースもあります。

具体的に、「八重歯を抜くケース」の例をご紹介します。

・八重歯が歯列から大きくはみ出していて、抜歯で全体の歯並びが整うケース
・八重歯と周囲の歯が重なり、歯周病が進行しているケース
・八重歯に問題がある（虫歯・歯根破折など）ケース

抜歯によって生じるデメリット

八重歯を抜歯することにより生じるデメリットについて、例を挙げてご紹介します。

・他の歯に負担がかかる
・健康な歯を失う
・八重歯部分のふくらみがなくなって、ほうれい線が目立つことがある

犬歯は口腔内全体の噛み合わせにおいてとても重要な歯で、抜歯してしまうと他の歯に負担がかかってしまいます。また犬歯は歯の中でも根が長くしっかりしていて、寿命が長い歯でもあります。長く残せる犬歯をあえて抜歯する歯科医師はあまり多くはないでしょう。

顔の印象が変わる！八重歯矯正の治療方法

八重歯は、一般的な歯科矯正で治していきます。歯科矯正方法の「ワイヤー表側矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」について解説します。

ワイヤー矯正（表側）

歯に「ブラケット」と呼ばれる装置を装着し、ワイヤーで歯を動かしていく矯正方法です。ブラケットの種類は金属色のメタルブラケットや、白いセラミックブラケット、半透明のプラスチック製ブラケットなどさまざまです。適応範囲が広く、重度の八重歯矯正にも対応可能です。

ワイヤー矯正（裏側）

歯の裏側（舌側）に矯正装置を装着する方法です。正面からは装置が見えないので、周りに気づかれることなく八重歯を矯正できます。

マウスピース矯正

プラスチック製のマウスピースを装着する矯正方法です。透明な素材なので目立ちにくく、痛みが抑えられるというメリットがあります。自分で取り外しができるので食事や歯磨きがしやすい、金属アレルギーの心配がないなどの特徴もあります。

後悔しない八重歯矯正をおこなうためには

八重歯矯正で後悔しないためのポイントをご紹介します。

自分に最適な矯正方法を選択する

後悔しない八重歯の矯正を行うため、自分の歯並びやライフスタイルに合った最適な矯正方法を選ぶことが重要です。複数の治療方法のメリット・デメリットや治療期間、費用の負担などをしっかりと確認し、自分に最適な方法を選択しましょう。

信頼できる歯科医院・歯科医師の治療を受ける

後悔しないために、信頼できる歯科医院や歯科医師を選択することもとても大切です。

具体的に信頼できる歯科医院とはどのようなものかを以下にまとめました。歯科医院を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

・矯正治療の経験豊富な矯正歯科医が在籍している
・カウンセリング、診断を丁寧に行ってくれる
・費用や治療期間、治療方法の説明が丁寧
・メリットはもちろん、デメリットも説明してくれる
・矯正中のトラブルがあってもすぐに対応してくれる
・通いやすい場所にある
・矯正治療の選択肢が多い

顔の印象が変わる八重歯矯正は満足できる治療を受けよう

八重歯を治療すると、顔が変わることが多いです。具体的には「ほうれい線が薄くなる」「横顔のシルエットが美しくなる」「口元がすっきりする」などの良い変化を感じられることが多いでしょう。

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八重歯の矯正に関するよくあるQ&A

Q1.矯正治療はどのくらいの期間で効果を感じる？

歯科矯正の種類や個人差などによりますが、矯正を始めて数ヶ月ほどで効果を感じる方が多いです。歯の状態によっては、矯正を始めて1ヵ月ほどで歯が動き始めたことを実感する方もいらっしゃいます。

ちなみにマウスピース矯正で有名なインビザラインの場合、マウスピース1枚で0.25mmまで歯を動かせます。1～2週間ごとにマウスピースを動かすので、最大で1ヵ月1mm歯を動かせる計算になります。

Q2.歯科矯正による顔への変化は？

歯科矯正をすると、顔つきに善い変化が現れることが多いです。特に「八重歯」「出っ歯」「しゃくれ」「上下顎前突」「口ゴボ」などの方は、顔つきの変化を感じやすいです。

具体的には「Ｅラインが整い横顔がきれいになる」「口が閉じやすくなる」「しゃくれがなくなる」「フェイスラインがすっきりする」などの変化が期待できます。

Q3.八重歯はかわいいと言われているのはなぜ？

日本において、八重歯は「かわいい」「愛嬌がある」「親しみやすい」などのイメージがありますね。八重歯には「童顔」「幼い」などの印象があるので、それが日本では「かわいい」と好意的に捉えられているようです。

ところが八重歯に対して良い印象を持つのは、世界でも日本だけだと言われています。欧米ではドラキュラ・悪魔などのイメージをもたれたり、国によっては不幸を呼ぶものとして嫌われたりします。