マウスピース矯正の費用は基本的には自費診療となって高額になる場合がほとんどです。しかし条件を満たすことで、保険適応で矯正治療が行える場合もあります。
今回の記事では、どんな場合に矯正治療が保険適応になるのかを分かりやすいく解説しながら、矯正治療が自費診療な理由や、矯正治療を安くする方法まで解説しています。
矯正治療を検討している方はぜひ最後まで読んで、参考にしていただければと思います。
マウスピース矯正が保険適用されないワケ
歯科矯正には主に、ワイヤーとブラケットを使った矯正方法とマウスピースを使った矯正方法があります。マウスピースを使った矯正ではほとんどの場合保険が適用されません。
マウスピース矯正が保険適用されない理由は?
歯科矯正の目的として、歯並びを改善したいという人がほとんどです。なかには歯並びのせいで食べ物が噛みづらい、骨格や体の他の部位にも影響を及ぼしているなど機能面の改善を求めている人もいます。
しかし、口腔の機能としては問題がないのに、見た目をより改善したい場合には、保険が使えません。保険が使える対象は、病気の治癒や機能面の改善をはかる治療となっています。
つまり、病気などの診断がないと保険は使えないことが理由に挙げられます。美容整形外科などの施術も機能的には問題はなくても、見た目の改善が主訴に来院する人が多く、保険の適用外となっています。
マウスピース矯正が保険適用となる条件と事例とは?
基本的に保険適用外となる歯科矯正ですが、なかには適用されるケースもあります。どのような条件の場合保険が使えるのか見ていきましょう。
厚生労働大臣が定める疾患に該当している
唇顎口蓋裂と呼ばれる唇から上顎、口蓋にかけて割けている状態を指す疾患や、小舌症という先天的またはがんの手術などによって切除後に短くなった場合のほか、ダウン症候群など58の指定疾患が保険適用となります。
これらに加えて、先天的に顎や口に奇形をもっている人や、変形が見られる場合にも保険が適用されます。
前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常
これは乳歯から永久歯に生え変わる子どもに見られる症状で、通常永久歯が生えてくるはずの前歯3歯以上に歯が生えてこない状態を指します。
この場合、歯茎を切開して中に埋まっている歯を引き出す手術が必要となります。手術時に歯の矯正が必要と認められれば保険適用となります。
顎変形症
遺伝などの理由から顎の骨に変形が見られ、噛み合わせがうまくいかないなどの症状が見られ、外科的な手術が必要な場合に保険が適用されます。
手術前後に矯正治療が必要と認められれば保険適用となりますが、全ての場合に当てはまるわけではありません。
参照:日本矯正歯科学会|矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
マウスピース矯正にかかる治療費用とは
マウスピース矯正は目立ちにくく、痛みも感じにくいことから近年利用者が増えている歯科矯正方法です。さまざまなブランドから出ており、費用の選択肢も広がっています。
マウスピース矯正をする際、どのようなことにいくら費用が発生するのか見ていきましょう。
初診料
まずかかるのが、初診料です。歯科矯正は患者さん一人ひとりの症状が異なるため、同じ治療計画とはいかないこともあります。また、矯正によってどのような状態になりたいか治療ゴールのすり合わせも矯正前にする必要があります。
今の悩みやどのような治療方法で矯正し、期間や費用についてもおおよその説明を受けるために初診がおこなわれます。初診料はクリニックごとにも異なりますが、無料で相談OKというところもあれば、5,000円程度かかるところもあります。
エミニナル矯正の場合、矯正相談料は無料です。歯並びの悩みやマウスピースで良くなるのかなど気軽に相談できます。
検査料
初診の次に、矯正前の検査があります。口腔内のエックス線画像や、頭蓋骨も含めた骨格構造の把握に加え、虫歯や歯周病がないかといった確認が必要なためです。問題があればすぐに矯正に入ることはできず、治療が優先されます。
こうした検査にかかる費用は、クリニックごとにも異なりますが、3,000〜30,000円程度と幅があります。
エミニナル矯正の場合は、3,850円とリーズナブルですが、検査内容は上記の内容を網羅しておこなわれるほか、マウスピースの製作に必要な歯型採取までおこなわれるので、内容面も心配ありません。
矯正装置費用
口腔内の検査を終えて歯型が採れたらいよいよマウスピースの装着です。矯正装置となるマウスピースは数週間に1枚のペースで作り替えていきます。製作のたびに費用が発生するクリニックと、一括で矯正装置代金として支払うクリニックがあります。
また、一括で支払いの場合でも枚数が決まっており、歯の移動状況に応じて当初の予定よりも使用するマウスピースの数が増えることもあります。その場合には、追加料金が発生するところもありますので、事前にどのような費用体系かは確認しておきましょう。
マウスピースで矯正可能な症例は増えてきたものの、いまだに重度の症例には不向きとされています。しかし、クリニックのなかには重度の場合でもマウスピースを適応可能として治療提供しているところもあります。
すると、いくらマウスピースの装着時間を守ってもなかなか改善されないということもありますので、施術前に自分の症例が改善可能かも慎重に判断を仰ぎましょう。
エミニナル矯正では、矯正治療を専門的に学び、実績豊富な歯科医師が治療を担当します。マウスピース矯正が不向きだと判断した患者さまへは無理に治療を進めないほか、他のクリニックの矯正治療で噛み合わせが悪化した患者さんへセカンドオピニオンを提供しています。
診療・通院費用
ワイヤー矯正と違い、マウスピース矯正は比較的通院回数や時間が少ないところも増えてきました。しかしなかには2週間に1回などの定期的な通院が必要なクリニックもあります。
通院が必要なクリニックの場合には、通院のたびに診察料が発生するところもあるほか、治療中の口腔内トラブルの治療で都度料金が発生するところもあります。
料金はトータルの費用に含まれているケースや、1回1万円程度かかるところまでさまざまです。また、治療を検討しているクリニックが遠方の場合には交通費も発生します。
リテーナー
矯正後の歯はまた元の位置に戻ろうとする働きが生じます。せっかく費用も期間もかけて改善された歯並びも、後戻りすれば元も子もありません。
後戻りを防ぐためにも治療後はなるべく長期間に渡ってリテーナーと呼ばれる装置の使用が推奨されています。
リテーナーは矯正後の歯並びをキープするために使われ、自分で取り外しが可能なタイプや歯に直接接着して常時つけているタイプなどがあります。
リテーナーの費用はトータルの治療費に含まれているクリニックから、製作に60,000円ほどかかるところまでさまざまです。
治療にかかる費用をできるだけ抑える3つの方法
基本的に保険適用外となる歯科矯正ですが、少しでも費用を抑える方法はあります。以下の3つの方法を試してみましょう。
医療費控除の利用
医療費控除とは、1月〜12月までの1年間に支払った医療費が10万円を超える場合(年間所得が200万円以下の場合はすべての所得金額等の5%にあたる金額)に、超過分の金額に対して所得控除が受けられる仕組みです。
世帯をもっている場合には、申告者だけでなく同じ世帯の家族が支払った医療費も対象です。すでに支払った金額が還付されますが、申告者の所得や使った医療費によって金額は異なります。
医療費控除額は次の式で求められます。
医療費控除額(最高200万円)=(申請したい年に支払った医療費の総額-保険金などで補填される金額)-(10万円×(所得の合計金額が200万円以下の方は所得総額の5%))
参照:国税庁|令和3年分確定申告特集
歯科矯正治療の場合、医療費控除の対象になるケースとならないケースがあります。対象となるケースには、叢生や出っ歯、開咬、先天的な理由で外科的な処置が必要な場合など、機能面の改善を目的とした治療が挙げられます。
高額療養制度の利用
高額療養制度とは、治療に高額な費用を支払った場合に自己負担限度額を超えた分が払い戻しされる制度のことです。治療は同一月内(1日から月末)にかかった費用である必要があります。
また、自己負担限度額は年齢や収入により金額が異なり、70歳未満の場合24,600円〜140,100円の範囲と定められています。
参照:全国健康保険協会|高額な医療費を支払ったとき
デンタルローンの利用
デンタルローンとは、歯科治療に特化したローンです。こちらは信販会社の審査を通る必要がありますが、カードの分割金利やカードローンよりも金利が低いほか、月々定額が引き落とされるなど支出の見通しが立てやすいのもメリットです。
ローンの審査には、一定の収入があることや、過去にローンに関してトラブルがないこと、他の機関で複数借入がないことなどの条件があります。また、デンタルローンの取り扱いがないクリニックもあります。
まとめ
歯科矯正は高額な治療費がかかるというイメージありますが、中には保険が使えて自費負担額を抑えられるケースもあります。しかし、ほとんどの症例では保険適用外となると覚えておくと良いでしょう。
費用の具体的な相談でオススメなのが、マウスピース矯正ブランドのエミニナル矯正です。無料の矯正相談で悩みを解消、1人ひとりの歯並びや口の状況を精度高く診断し、治療計画を提示してくれます。費用についての相談など気になることがあれば、気軽に矯正相談を受けてみてくださいね。
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【Q&A】歯科矯正で保険適用できる?よくある質問
歯科矯正の保険適用に関して自分では判断できない点も多々あります。よくある質問をまとめました。
Q.歯科矯正の保険適用可能な症例は?
次の3つの条件のうちいずれかを満たしている症例に適応されます。
1.「厚生労働大臣が定める疾患」に該当し、矯正が必要な場合
2.前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常で、埋没歯の切開手術を必要とするケース
3.顎変形症の治療前後で矯正治療がおこなわれる場合
参照:日本矯正歯科学会|矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
Q.歯の矯正の費用は?
保険適用には条件がありますが、条件を満たさない場合は次のような費用相場の金額が発生します。
- ワイヤー矯正(全顎):70〜150万円
- ワイヤー矯正(部分):8〜55万円
- マウスピース矯正(全顎):70〜100万円
- マウスピース矯正(部分):20〜50万円
Q.歯の矯正、保険適用の場合の費用は?
歯科矯正で保険適用になる場合、治療の都度支払った金額によって料金は異なります。一般的な歯科矯正代金は先ほどの項目で挙げたような相場ですが、保健治療の場合は処置内容などによって異なるため、一概にいくらとは言い切れません。
おおよそ30万円程度が負担金額とイメージしておくと良いでしょう。
Q.矯正の保険適用、子どもは?
歯科矯正は歯の移動が生じやすい子どもの内におこなう親子も少なくありません。子どもの場合でも、保険適用がされるのかというと、大人と同じ解釈となります。
したがって、先天的な顎の変形や厚労省の指定する疾患に該当する、外科的な手術などが必要等の条件を満たせば、保険適用となります。
見た目の改善を理由とする歯科矯正で、機能的には問題がないケースでは保険適用外となります。
Q.医療費の控除。矯正ではいくら戻ってくる?
歯科矯正の医療費控除に関して気になるのが、いくら戻ってくるかということです。
医療費控除が受けられる歯科治療の内容で特徴的なことは、一般的に使われている素材(被せ物に金属やポーセレンなどの素材を使用しているケースなど)か、機能面の改善です。
見た目をより良くしようという矯正は対象外となりますので、注意が必要です。
医療費控除では、所得の金額によって返ってくる金額に違いがあります。所得が200万円以上の場合は、10万円を超える額が控除の対象となり、総支払額-10万円に所得税率10%をかけた金額が戻ってきます。
一方、総所得が200万円未満の場合には、総支払額-総所得×5%をかけた金額が戻ってきます。
参考:国税庁|No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
Q.舌側矯正やマウスピース矯正では保険適用される?
最近では目立ちにくさが魅力の舌側矯正方法や、マウスピースを使った矯正方法などがあります。歯の移動が生じて治療に該当するという点ではいずれも歯科矯正ですが、このような矯正方法は保険適用外となります。
保険が適用されるためには、国が指定する矯正装置を使った治療である必要があるので、覚えておきましょう。