歯科矯正の際に歯があまり動かないと治療が長引いてしまうという話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?治療が長引いてしまうと矯正にかかる費用も変わってきてしまいます。
歯が動きやすい人の特徴や実際に歯はどれくらいのスピードで動いているのか、そもそも矯正期間が早く終わる人にはどのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
歯科矯正をスムーズに終えたい方や歯の動きの差がどのように矯正への影響があるのか興味のある方は、ぜひ本記事をご覧ください。
歯科矯正で動きやすい人の特徴を解説
歯科矯正をするときに、歯が動きやすい人と、なかなか歯が動かない人がいます。歯が動かないと、治療期間が長引いてしまいます。それではどんな人が、歯が動きやすいのでしょうか?
成長期の子ども
成長期の子どもの場合、歯や顎の骨もまだ成長途中で柔らかく、少しの力をかけても歯や骨に影響がでます。そのため子どもはとても歯が動きやすいです。
ただし「舌で前歯を押す癖」「指しゃぶりや爪を噛む癖」などの悪い癖や習慣があると、簡単に歯が動いてしまうこともあります。成長途中の骨は柔らかく歯が動きやすいので「良くなるのも速く、悪くなったり後戻りしたりするのも速い」ということです。
新陳代謝が高い人
歯の周囲組織の新陳代謝が高い方は、歯も動きやすい傾向にあります。歯科矯正は、歯を動かしたい方向に矯正装置で力をかけて歯を動かしていきます。この時に、動かしたい方向の歯槽骨(歯を支えている骨)が吸収され、できたスペースに新しい歯槽骨ができるということを繰り返しながら、歯が動いていきます。
新陳代謝が高い方は、歯の周囲組織である歯槽骨の吸収と生産のスピードも速いため、歯が動くスピードも速いです。矯正中は睡眠時間をしっかり確保したり、食生活を見直したりして、新陳代謝の活性化を促すと良いでしょう。
歯並びや噛み合わせの問題が軽度
もともとの歯並びのガタツキの症状が軽度であれば、矯正で大きく歯を動かす必要が無いので治療期間は短いです。部分矯正で対応可能な歯並びであれば、数ヶ月で治療が終わることもあるでしょう。
歯並びや噛み合わせの問題が重度であればあるほど、治療期間は長くなる傾向があります。
実際に歯科矯正ってどのぐらい歯が動くの?
歯科矯正で歯が動く仕組みと、どのくらい歯が動くのかについて解説します。
歯が動く仕組み
歯科矯正では、ワイヤーやマウスピースなどの矯正器具を長時間歯に装着し、持続的な力を与えることによって顎の骨の吸収と再生が起こり、歯が動いていきます。
歯の根は、「歯根膜(しこんまく)」という膜で覆われていて、さらに外側の「歯槽骨(しそうこつ)」という骨で支えられています。歯根膜は繊維でできていてトランポリン状になっており、噛んだときに力を分散させる大切な役割を果たしています。
矯正器具で歯に弱い力をかけると動かしたい方向の歯根膜が縮みますが、歯根膜は一定の厚さを保とうとして縮んだ方向の骨を溶かそうという働きが活発になります。その結果「破骨細胞(はこつさいぼう)」が骨を溶かし(骨吸収)歯が動くのです。
歯が動いてできたスペースでは「骨芽細胞(こつがさいぼう)」が新しい骨を形成します。このような骨の新陳代謝機能を利用して、少しずつ歯を動かしていくのです。
歯は1ヶ月で約0.3ミリ移動できる
歯科矯正で歯が動く距離は、個人差もありますが1ヶ月で0.3mmほどです。骨の吸収と再生を利用して歯を動かしますので、少しずつ移動していく必要があります。仮に4mm歯を動かす矯正治療計画とすると、1年以上の治療期間がかかることになります。
無理に速く歯を動かそうと強い力をかけると、骨の吸収と再生が追い付かず、歯茎が下がったり、歯がグラグラして抜けてしまったりなどの取り返しのつかないダメージを残すことも。歯や歯周組織にダメージを与えないために、歯科矯正ではゆっくりと歯を動かしていく必要があるのです。
大人の歯科矯正にかかる期間ってどのぐらい?
歯科矯正にかかる期間は、どのくらいかかるのでしょうか?
大人の歯科矯正の治療期間は、歯並びや治療部位、歯科矯正の種類などによって大きく異なりますが、平均的には1年~2年半ほどです。さらに、歯が後戻りしないようにする保定期間が、治療にかかった期間と同じくらいかかります。
歯科矯正には、矯正する部位で分けると「部分矯正」と「全体矯正」があり、矯正器具(矯正方法)で分けると「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正(表側矯正・裏側矯正)」があります。それぞれの特徴や、治療期間の目安を詳しく解説していきます。
部分矯正の場合と全体矯正の場合
歯科矯正は、前歯などの一部分だけを対象として治療する「部分矯正」と、上の歯・下の歯すべての歯に対して矯正治療をする「全体矯正」があります。基本的には、「マウスピース矯正」「ワイヤー矯正」どちらでも対応しています。
全体矯正の治療期間
全体矯正にかかる治療期間は、1~2年半ほどです。ただし、歯並びや治療方法などによっても治療期間は異なります。
部分矯正の治療期間
部分矯正は、前歯だけなど一部分の歯を動かす治療方法です。歯を動かす距離が短いので、治療期間も短く3ヶ月~1年ほどです。
ただし、すべての方が部分矯正を適用できるわけではありません。噛み合わせには問題がなく、軽度な歯科不正の方に向いている治療方法です。
マウスピース矯正の場合
マウスピース矯正は、透明で目立たないマウスピースを装着することによって歯に弱い力をかけ、歯を動かしていく歯科矯正方法です。
マウスピース矯正の治療期間は、全体矯正の場合は1~2年半ほど、前歯だけの部分矯正の場合は3ヶ月~1年ほどです。軽い症状であれば、数ヶ月程度と短期間で治療が終わるので、気軽に歯科矯正ができるでしょう。
ただしマウスピース矯正は、抜歯をして大きく歯を動かすような症例を苦手としています。重度の症例を治療する場合は、ワイヤー矯正よりも治療期間が長くなってしまうケースが少なくありません。
通院頻度は、1~3ヶ月に1回程度です。マウスピース矯正ブランドによっては、通院はほとんど必要なくオンラインで矯正の進捗をチェックできることもあります。忙しい方にとって、通院回数が少なくてすむ点は大きなメリットでしょう。
ワイヤー矯正の場合(表/裏)
ワイヤー矯正は、歯に矯正装置(ブラケット)をつけ、ワイヤーを通して歯を動かしていく矯正方法です。歯の表側に装置をつける「表側矯正」と、歯の裏側(舌側)に装置をつける「裏側矯正」があります。
ワイヤー矯正の治療期間は、全体矯正の場合は1~3年ほど、部分矯正の場合は3ヶ月~1年ほどです。重度の症例を治療する場合、治療期間が長くなります。
ワイヤー矯正はマウスピース矯正では対応できないような重度の症例を治療するケースが少なくないため、結果的に治療期間が長くなることもあります。
「裏側矯正」は「表側矯正」よりも治療期間が長くなると言われていましたが、矯正器具の進化などによって治療期間の差がなくなりつつあります。
通院頻度は1ヶ月に1回程度です。ワイヤー矯正はマウスピース矯正と違い、定期的に歯科医院に通って矯正器具を調整してもらわないと歯が動きません。
歯科矯正が早く終わる人の特徴2選
歯科矯正は早く終わる人もいれば、治療期間が長引いてしまう人もいます。歯科矯正が早く終わる人の特徴をご紹介します。
矯正歯科医の治療精度が高い
治療精度や技術力の高い矯正歯科医の治療を受けると、歯科矯正を比較的短期間で行うことができます。
歯科矯正のスピードは、矯正装置の選択や矯正器具の装着のスキルなど、矯正歯科医の知識・経験・技術などに影響されることがあります。信頼のおける治療精度の高い矯正歯科医なら、1人ひとりの歯の状況を見極め、効率よく歯科矯正ができる治療計画を立てられるので、治療期間も短くなる傾向にあるでしょう。
ただ、治療精度の高い矯正歯科医を選ぶのは難しいものです。歯科医院には「歯科」「矯正歯科」「小児歯科」「歯科口腔外科」の診療科目があるのですが、実は歯科医師免許があればどの診療科目を掲げて開業しても問題ないことになっています。そのため、「矯正歯科」だからといって優れた矯正治療が受けられるとは限りません。
エミニナル矯正では、矯正治療の経験が豊富な矯正歯科医が必ず担当医になるシステムを構築しているので、矯正期間が必要以上に長引いてしまうリスクを回避できるでしょう。
医師から言われたことを守って生活する
いくら矯正歯科医の治療精度が高くても、医師から言われたことを守らなければ治療期間が延びてしまうもの。歯科医の指示を守る方は、矯正中のトラブルが回避できるので治療が滞りなく進んでいくでしょう。
まずは、通院日の予約を守ることが大切です。予約をキャンセルすると、治療期間が長引いてしまう原因となります。定期的に通院できる環境をしっかりと整え、やむを得ない事情で予約を変更する場合はなるべく早めに連絡し再予約を取ることが大切です。
またマウスピース矯正の場合は、医師から言われた装着時間をしっかりと守りましょう。マウスピースは自分で取り外しができるので「食事がしやすい」「口腔ケアがしやすい」といったメリットがある一方、気が緩んで装着時間が短くなることも。
しかし、マウスピース矯正の装着をサボると歯が計画通りに動きません。外している時間が長くなると歯が後戻りしてしまい、マウスピースが合わなくなって再製作が必要になることもあります。決められた装着時間をしっかりと守ることにより、治療期間を長引かせずにすむでしょう。
矯正期間が延びてしまう原因と対策って?
矯正期間が延びてしまう原因と、その対策について解説します。
矯正装置に違和感があったらすぐに連絡する
歯の表面につけた装置などは、食事の際や上下の歯を噛み合わせた時などに取れてしまうことがありますが、取れたまま放置していると予定通りに治療計画が進まなくなります。すぐに歯科医院に連絡して、つけてもらうようにしましょう。
装置に問題があるまま次回の予約まで放置していると、治療期間がどんどん長引いてしまいます。取れかかっている気がするなど違和感があったら、すぐに連絡して診てもらうことが大切です。
エミニナル矯正は、矯正装置に問題があれば公式LINEの相談室から相談できます。ちょっとした違和感でも気軽にオンラインで相談できるので、とても便利ですね。
虫歯、歯肉炎などにならないよう口内環境のケアをする
虫歯や歯周病になると、装置を外して治療が必要になることもあり矯正計画が大幅に崩れてしまいます。特にワイヤー矯正の場合、歯ブラシが届きにくいところが多くなるので汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
虫歯で矯正装置が緩んでしまい、治療期間が長引いてしまうことも少なくありません。歯ブラシだけでなく、デンタルフロス・歯間ブラシ・インタースペースブラシ・ウォーターピックなどを併用し、丁寧にケアをする習慣をつけましょう。
マウスピース矯正の場合は、取り外して歯磨きができるので口腔内の衛生を保ちやすいです。ワイヤー矯正に比べて口腔ケアがしやすいので、虫歯や歯周病になるリスクが低いという大きなメリットがあります。
まとめ
歯科矯正で歯が動きやすい人の特徴について解説しました。基本的には成長期のお子様など若い方や、新陳代謝が高い方が歯が早く動く傾向にあります。マウスピース矯正の場合は、1日20時間の装着時間をしっかりと守ることもとても大切です。
歯科矯正は骨の吸収と再生を利用して歯を動かすため、どうしても治療期間が長くなってしまいます。ですが、マウスピース矯正なら目立ちにくく取り外しができるので、矯正中でも比較的快適に過ごせるでしょう。
マウスピース矯正ブランドのエミニナル矯正では、1人ひとりの歯並びや口の状況を精度高く診断し、治療計画を提示してくれます。気になることがあれば、気軽に矯正相談を受けてみてくださいね。
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歯科矯正で動きやすい人に関するQ&A
歯科矯正の動く早さは?
大人の歯科矯正の場合の治療期間は、1年~2年半程度です。歯並びや治療方法などによって異なります。
歯の動き方には個人差がありますが、「成長期の子ども」「歯周組織の新陳代謝が高い人」は早く歯が動く傾向にあります。
歯科矯正 ゴムかけ 何ヶ月?
歯科矯正では、歯に「顎間ゴム(エラスティックス)」をかけることがあります。このゴムかけの期間は早い方で1ヶ月、長い方で1年以上と個人差が大きいです。
歯並びの状況によってゴムかけの期間は異なり、少しだけ歯を動かせばいいケースでは数ヶ月程度で終わりますが、歯を動かす距離が長かったり、なかなか歯が動かなかったりするケースでは1年以上かかってしまうこともあります。
ゴムかけはつけている時間が長いほど、早く効果を発揮します。基本的には食事と歯磨きのとき以外はゴムをつけていると、治療期間が短くなるでしょう。
歯科矯正 1ヶ月でどれくらい動く?
1ヶ月でどれくらい動くかには個人差がありますが、一般的には1ヶ月で0.3mmほどです。歯を支えている骨(歯槽骨)の吸収と再生を利用してうごかしていきますので、ゆっくりと動かしていく必要があります。
マウスピース矯正で有名なインビザラインの場合、1枚のマウスピースで歯を動かせる距離は最大で0.25mmまでです。マウスピースの交換は1~2週間ごとなので、1ヶ月に0.5~1mmまで動かせる計算になります。
ただし歯の動き方には個人差がありますので、医師の指示に従ってマウスピースの交換をしていきましょう。
歯科矯正は何年で終わる?
大人の歯科矯正の治療期間は、症状によって違いますが1年~2年半ほどです。
前歯だけを対象にした部分矯正は比較的治療期間が短く、3ヶ月~1年ほどです。
ただし部分矯正は、奥歯の噛み合わせに問題がなく、歯並びの不正が軽度の方に向いている治療です。歯並びの問題が中度~重度のケースでは、全体矯正でないと矯正できないことが多いです。
治療後に歯が後戻りしないように、保定装置(リテーナー)をつける期間が治療にかかった期間と同程度かかります。歯科矯正に2年かかった場合は、治療後にリテーナーを2年ほどつけるということです。歯を動かすわけではないので、保定装置をつけていても痛みはほとんどありません。