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八重歯の矯正は必要?治療方法・流れ別に発生する費用を解説

八重歯は日本では「かわいい」といったイメージを持たれることも多く、一昔前までは「八重歯」のアイドルや芸能人もよく見かけましたよね。そのため、八重歯は治すべき歯並びなのかと疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?八重歯の矯正にかかる費用を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
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本記事では、この八重歯の矯正治療をすべきかどうか、そして治療方法や流れ、費用などについても詳しく紹介しています。八重歯の矯正治療を検討しており、矯正すべきかどうか悩まれている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

浅見 拓哉
監修 矯正ドクター
日本矯正歯科学会 認定医/インビザライン認定ドクター
三上 智彦
監修 矯正ドクター
日本矯正歯科学会認定医/インビザライン認定ドクター
名倉 奈津子
監修 矯正ドクター
東京歯科大学卒/医療法人社団佑健会 勤務

犬歯が飛び出した歯並び「八重歯」

八重歯とは、そもそもどんな歯並びかというと、犬歯が歯列から大きく前方に飛び出して、歯と歯が重なっている状態をいいます。叢生(そうせい)という、歯列不正のひとつでもあります。

「八重歯」は、日本では「無垢でかわいい」といったイメージを持たれることもありますが、海外では「自己管理ができていない」という悪いイメージを持たれることもあります。

さらに犬歯は、噛み合わせに重要な役割があるため、「八重歯」になって歯列から外れてしまうことで、他の歯へダメージを与える可能性もあり、軽視できない問題でもあるのです。ここでは、この八重歯の原因やリスクなどについて、詳しく見ていきましょう。

八重歯の原因は主に2パターン

八重歯になる原因には主に、遺伝などの「先天的」な原因と、生え変わりなどの「後天的」な原因の2つのパターンが考えられます。

遺伝などの「先天的」な原因

八重歯の原因には、遺伝などの「先天的」なものがあります。とはいっても、そのまま「八重歯」が遺伝するわけではありません。なぜなら、親から遺伝するのは、「八重歯そのもの」ではなく、顎や歯の大きさや形だからです。

ただし、これらが遺伝することで、自然と親の歯並びと似てくるため、親が「八重歯」の場合はお子さんも「八重歯」になってしまう可能性は高まります。

とくに、顎に「犬歯」が並ぶスペースがない場合は、「犬歯」が歯列から押し出されることで「八重歯」になってしまいます。つまり、「歯に対して小さい親の顎」が遺伝してしまうと「八重歯」になるリスクが高まってしまうわけです。

生え変わりなどの「後天的」な原因

八重歯は、生え変わりなどの「後天的」な原因で生じてしまう可能性もあります。

じつは犬歯は、他の歯に比べて永久歯に生え変わる順番が遅く、犬歯が生えるときには、他の永久歯が生え揃っている状態なのです。

そのため、虫歯で乳歯が早く抜けて犬歯の生えるスペースを埋めてしまったり、顎が十分に成長しなかったりした場合には、後に生えてくる「犬歯」が本来の歯列の位置に並べず、前方へ飛び出して「八重歯」になってしまうリスクがあるのです。

八重歯を放置するリスクが…

じつは八重歯を放置すると、「かわいい」では済まされないような、以下のようなさまざまなリスクがあります。

  • 他の歯に大きな負担がかかる…犬歯は噛み合わせの力を緩和し、他の歯を守る役割があるため
  • 虫歯・歯周病のリスクが高まる
  • 口臭リスクが高まる
  • 歯磨きがしにくい…歯が重なっているため
  • 咀嚼能力が低下する…噛み合わせられないため

こんな場合は八重歯の矯正を検討しよう

八重歯の場合、歯や歯ぐきへダメージを与えてしまう可能性があるため、八重歯の矯正治療を検討することをおすすめします。

噛み合わせに八重歯が関係していない

噛み合わせに八重歯が関係していないケースでは、八重歯の矯正治療を検討した方が良いでしょう。

というのも、犬歯は他の歯に比べて根っこが長く丈夫にできており、異常な力が他の歯にかからないように噛み合わせの「ガイド役」となって、他の歯を守る役割があるためです。

つまり、そんな重要な役割を持った「犬歯」が噛み合わせに関係していないとなると、他の歯に大きな負担をかけてしまうため、八重歯の矯正治療を検討すべきだといえるでしょう。

八重歯のブラッシングがしにくい

八重歯のブラッシングがしにくい場合も、八重歯の矯正治療を検討した方が良いでしょう。

これは、八重歯が隣の歯と重なって磨きにくい場合、磨き残しがどんどんたまって、虫歯・歯周病のリスクを高めたり、口臭リスクも高めたりしてしまうからです。

八重歯を治す矯正方法は?

八重歯を治す矯正方法には、「ワイヤー矯正」や「マウスピース矯正」が挙げられます。

1.ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは、歯の表面に矯正装置を取り付けて、歯並びを整えていく矯正治療法です。ワイヤー矯正には、歯の表側に装置をつける「表側矯正」と、歯の裏側に装置をつける「裏側(舌側)矯正」があります。

治療期間の目安は、およそ1~3年です。費用の目安は、「表側矯正」が30~100万円程度、「裏側(舌側)矯正」は40~160万円程度です。

2.マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、透明で目立ちにくいマウスピース型の矯正装置を使用して、歯並びを整えていく矯正治療法です。一定期間ごとに、新しいマウスピースに順番に交換していきます。

治療期間の目安は、1~3年程度です。費用の目安は、30~120万円程度です。

ただし、同じ「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」でも、部分矯正と全体矯正、抜歯矯正と非抜歯矯正などで治療内容も異なります。それぞれ、治療内容・期間・費用など、詳しく確認していきましょう。

部分矯正と全体矯正

八重歯を治す矯正方法には、「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」がありますが、その治療範囲は「部分矯正」と「全体矯正」のふたつに分けられます。

それぞれの費用と治療期間の目安は、以下の通りです。

部分矯正

部分矯正とは、前歯を中心とした一部分に行う矯正治療で、軽度の「八重歯」かつ、奥歯に噛み合わせの問題がないケースなら、「八重歯」を部分矯正で治すことも可能です。全体矯正と比べて、費用や治療期間ともに短く済むことがほとんどです。

【治療期間の目安】

 半年~1年程度

【費用の目安】

・ワイヤー矯正(表側)…30〜60万円

・ワイヤー矯正(裏側)…40〜70万円

・マウスピース矯正…30〜60万円

全体矯正

重なりが大きい「八重歯」かつ、奥歯の噛み合わせに問題がある場合は、「八重歯」を部分矯正では治せないため、「全体矯正」の適用となります。

【治療期間の目安】

 1~3年程度

【費用の目安】

・ワイヤー矯正(表側)…60〜100万円

・ワイヤー矯正(裏側)…100〜160万円

・マウスピース矯正…60〜120万円

抜歯矯正と非抜歯矯正

八重歯を治す際には、スペースが大きく足りない場合は「抜歯矯正」、軽度の八重歯の場合は「非抜歯矯正」を行う、ふたつの治療方法があります。

抜歯矯正

八重歯を本来の位置に戻すためのスペースが大きく足りない場合、抜歯を行います。一般的には前から4番目、もしくは5番目の「小臼歯」と呼ばれる歯を抜きます。

非抜歯矯正

軽度の八重歯であれば、歯と歯の間を少し削ることで、足りないスペースを確保できます。この場合は、抜歯せずに八重歯を治すことが可能です。

八重歯の矯正にかかる費用の内

では、実際に八重歯を治すことになった場合、どのタイミングで、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか?

ここでは、「矯正治療前」「矯正治療中」「矯正治療後」それぞれの流れに沿って、かかる費用を確認していきましょう。

矯正治療前

矯正治療前にかかる費用の総額は、「無料~6万円」程度です。

矯正治療前は、まず初回カウンセリングで矯正歯科医に相談をします。この初回カウンセリングは、ほとんどの場合が無料です。

また、しっかり歯並びの状態を診てもらいたいと希望する場合には、精密検査を行い、その精密検査をもとに矯正歯科医が診断を行います。こちらにかかる費用は、矯正治療を契約するかしないかに関わらず、支払う必要があります。

矯正治療中

矯正治療中は、矯正装置の費用(30~160万円)と、「調整・診察代(1回3000円〜1万円程度)」がかかります。

矯正装置にかかる費用の相場は、30~160万円と幅広く、どの装置を選ぶのかや、歯並びの状態などによっても費用が大きく変わります。

調整・診察代に関しては、トータルフィー制を取り入れ、総額料金として事前に支払いをしている場合もあるため、通院の度に追加料金を支払わなくても良いケースもあります。

矯正治療後

矯正治療後にかかる費用は、保定装置代(無料~6万円)と、「診察代(1回3000円〜1万円程度)」です。

矯正治療が終わったらそれで終わりではなく、そのまま放置してしまうと「後戻り」のリスクがあります。この後戻りを防ぐためには、「保定装置」という装置を、一定期間装着しなければなりません。

保定装置や保定観察料は、比較的別料金の場合が多いです。

まとめ

八重歯はただ「かわいい」では済まない、放置すると起こりうるさまざまなリスクがあります。犬歯には他の歯を守る大きな役割もあるため、トラブルが起こる前に矯正治療をはじめることをおすすめします。

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八重歯の矯正に関するよくあるQ&A

ここでは、八重歯の矯正に関するよくあるQ&Aについて回答していきます。

Q.八重歯矯正って何年かかるの?

八重歯の矯正治療の期間は、八重歯の状態によって異なります。

たとえば、「軽度の八重歯」の場合であれば、前歯中心の「部分矯正」で治せるケースもあるため、半年~1年程度で改善することもあります。軽度の八重歯というのは、歯の重なりが少なく、奥歯の噛み合わせにも問題がない場合に限ります。

また、それ以外の「八重歯」の場合は、歯列全体を治す「全体矯正」の適用となり、治療期間の目安は、

およそ1~3年ほどです。「八重歯」以外の不正咬合が混合していると、治療期間が大きく延びてしまうリスクがあります。

Q.八重歯矯正は何歳からできる?

八重歯の矯正治療は、何歳からでも可能です。しかしながら、大人になってから八重歯の矯正治療をはじめようと思うと、ガタガタの度合いにもよりますが、顎のスペースが足りず「抜歯」を伴うケースが多いです。

そのため、もし可能な限り歯を抜かずに「八重歯」を治したいのであれば、お子さんの顎の成長に合わせて6、7歳ぐらいで矯正治療をはじめるのが最適です。 

Q.八重歯を抜くとどんな変化がある?

「八重歯」はもともと、「犬歯」として重要な役割を担うべき歯です。犬歯は歯の中でも最も丈夫な歯で、歯を噛み合わせたときのガイド役となり、前歯や奥歯の他の歯にかかる負担を和らげてくれる役割があります。

そのため、「犬歯」を抜歯することで、他の歯の寿命が短くなったり、歯周病や顎関節症なども引き起こしたりするリスクもあります。そのため抜歯をする歯は、第一小臼歯と言われる歯が比較的多いです。

「八重歯」になっているということは、この「犬歯」の機能を果たせていません。そのためできるなら、「八重歯」を抜歯してしまうのではなく、矯正治療でもとの正しい犬歯の位置へ戻して、本来の機能をしっかり働かせてあげることをおすすめします。


Emi

デパコスからドラコスまで大好きな、根っからの美容好き。最近は美容医療領域の興味関心度が高い。綺麗に年を重ね、素から綺麗を目指したい。