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反対咬合とは?原因とオススメの治療方法について解説

反対咬合という言葉を聞いたことがある人も、意味を理解してる人は少ないでしょう。

本記事では、不正咬合の一種「反対咬合(はんたいこうごう)」について徹底解説します。矯正方法や矯正医院を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

浅見 拓哉
監修 矯正ドクター
日本矯正歯科学会 認定医/インビザライン認定ドクター
三上 智彦
監修 矯正ドクター
日本矯正歯科学会認定医/インビザライン認定ドクター
名倉 奈津子
監修 矯正ドクター
東京歯科大学卒/医療法人社団佑健会 勤務

反対咬合ってなに?

受け口のほぼ同じ意味をもつ反対咬合ですが、特徴や種類がありますので、詳しく見ていきましょう。

反対咬合(受け口)の特徴

反対咬合とは文字を見てわかるとおり、上の歯と下の歯の位置が逆になっている状態が特徴です。通常、歯を噛み合わせたとき上の歯のほうが下の歯より若干前に出ている状態が正常です。しかし、反対咬合の場合には、下のほうが前に出っ張ってしまい、受け口の状態になっています。

受け口は西洋人と比べてアジア人に多く見られますが、これは下顎が発達しやすいためとも言われています。

反対咬合(受け口)の種類は?

反対咬合にはいくつか種類があります。おおまかに分けて2つ種類があり、それぞれの特徴は次のとおりです。

歯槽性反対咬合

歯の傾きに問題があるケースが歯槽性反対咬合です。これは、歯が真っ直ぐに生えてこないことが原因で、下の歯が上の歯より前に突出して生えてしまっている状態です。こちらは骨には問題がないことが多いため、歯科矯正をすることで歯の傾きを改善し反対咬合を治せます。

骨格正反対咬合

歯の傾きではなく、骨格自体に問題があるケースが骨格正反対咬合です。この場合、歯科矯正をしても改善は難しく、下顎後退手術という全身麻酔をともなう手術が必要となります。

反対咬合の原因は?

反対咬合の種類がわかったところで、なぜ反対咬合になってしまうのか原因を探っていきます。

遺伝によるもの

まずは遺伝が原因による反対咬合です。顔や体型が親や親族と似るように、骨格も遺伝します。すべての受け口の人が遺伝によるものではありませんが、遺伝が考えられる患者さんもいます。

まだ子どもで乳歯のうちは成長にともなって自然と直るケースもありますが、親も反対咬合の場合、永久歯に生え変わる段階や成長過程で反対咬合になる可能性もあります。

子どもの頃の癖によるもの

長期にわたるおしゃぶりの使用や指しゃぶりのほか、頬杖などの習慣によっても反対咬合になることがあります。これらの癖はなかなかやめるのが難しく、無意識のうちに反対咬合を助長してしまっているケースもあります。

また、舌の位置によっても反対咬合は生じます。舌で下の歯を押し出す癖があると、長期的な負荷によって歯が前に押し出されてしまうことがあります。

下顎の過成長

成長とともに、下顎が成長しすぎてしまうことが原因で反対咬合になる人もいます。大きくなりすぎてしまった下顎は上顎とバランスを取りづらくなります。また、下顎は正常に成長していても、上顎が成長しないことでバランスが悪くなってしまい反対咬合になるケースもあります。

反対咬合を放置するとどうなる?

反対咬合は見た目ばかり気にされる患者さんもいますが、全身の健康にも関わってきます。もし、反対咬合を放っておいたら次のような症状に発展する可能性もあります。

消化が悪くなる

通常、上下の歯がしっかりと噛み合っていることで食べ物を十分に咀嚼することができます。細かく食べ物を噛み砕くことで、唾液の分泌が促されて口の中の健康や消化を助けてくれます。

しかし、反対咬合によって噛み合わせが不十分の場合には食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうため、消化に悪く胃腸に負担をかけることにつながります。

見た目が悪くなる

上顎より下顎が前に出ていると、見た目に影響します。口を引っ込めているつもりでもしゃくれているように見えてしまうほか、下顎が大きく見えてしまい、すっきりとした顔つきに見られないなんてことにもつながります。

顎の出っ張りはメイクでもごまかしきれないためコンプレックスとなってしまい、自信を失う方までいます。

滑舌が悪くなる

下顎が出ていると、発音にも影響が出てきます。噛み合わせ同様発音のためにも十分に口の筋肉が使えず、会話をしていても口から空気が漏れてしまいます。すると、相手から聞き取りづらく感じられてしまうことにも。

何度も聞き返されてしまうと、コミュニケーションを積極的に取ることが億劫になってしまう可能性も出てきます。

反対咬合の治療方法を紹介!

反対咬合は先天的な理由以外のケースでは、外科的な処置を取らずに改善することができます。ここからは具体的な治療方法を紹介します。

非抜歯による歯科矯正

歯科矯正は反対咬合を改善する治療法として知られています。矯正方法のなかにも種類があり、ワイヤーとブラケットを使った矯正方法と、マウスピースを使った矯正方法があります。どちらも抜歯を伴わずに反対咬合を改善できます。

矯正というと歯を抜いたり削るイメージがある人も少なくありませんが、こうした処置は歯の寿命を短くしてしまうため、納得のいく理由がない限りあまりおすすめできません。

ワイヤー矯正は常時歯に矯正装置をつけたままの状態が続くため歯の移動が生じやすいです。しかし、目立つ点やワイヤーの調整時に痛みや違和感を感じるというデメリットもあります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正の場合、目立ちにくく痛みや違和感が抑えられることや、自分で自由に取り外しができる点がメリットです。一方で装着時間を守らないと期待通りの効果が得られません。マウスピース矯正は、もともと歯の移動量が多い症例には不向きなこともあり、抜歯はほとんど伴いません。

また、マウスピースが得意とするのは歯の傾き改善のため、歯の傾きに原因がある反対咬合はマウスピースで改善が期待できます。

外科手術

歯の傾きが原因ではなく、骨格に問題がある場合の反対咬合は外科的な手術が必要となります。手術では全身麻酔を使い、下顎を後ろに下げる処置をおこないます。

下の顎の骨を口の中から切り、ネジのようなもので固定する手術内容で、約4時間ほどかかります。手術の前1〜2年と術後に噛み合わせが正しくできるよう歯科矯正を伴います。

まとめ

反対咬合は見た目だけでなく、放っておけば全身の健康や自信の喪失にさえつながりかねません。骨格の異常の場合には外科的な処置と矯正を組み合わせた治療法があり、歯の傾きが原因の場合には、矯正治療のみで改善できます。

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反対咬合に関するQ&A

Q.反対咬合の矯正にかかる費用は?

A.歯科矯正で反対咬合を治す場合、選択する治療方法によってもかかる費用は異なります。ワイヤーを使った矯正方法の場合、60〜150万ほどかかります。また、プラスチック製のマウスピースを使った矯正方法では、40〜110万ほどとワイヤー矯正よりも比較的リーズナブルな価格です。

Q.自力で治すことってできる?

A.反対咬合になるにはいくつか原因がありますが、習慣が原因でなってしまった場合には、自力で改善することもできます。舌で下の歯を押し出す癖がある人は、下の位置を意識的に上の歯と下の歯の間に置くようにしたり、頬杖などの癖をなくすようにしましょう。

また、反対咬合を改善するトレーニングとして、舌を下の左下の奥歯から反対側へゆっくり移動させていく方法もあります(上の歯も同様におこなう)。

Q.子どものときに気を付けることは?

A.子どもはまだまだ顎の骨や歯の成長が見込める時期です。おしゃぶりを長い期間使っていたり、指しゃぶりなどの癖がある場合には、早めにやめさせるようにしましょう。

また、親が反対咬合の場合遺伝する可能性もありますので、永久歯に生え変わるタイミングや成長段階において注意深く経過を見ていきましょう。矯正歯科医に早期に相談してみるのもおすすめです。


Emi

デパコスからドラコスまで大好きな、根っからの美容好き。最近は美容医療領域の興味関心度が高い。綺麗に年を重ね、素から綺麗を目指したい。